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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
甲斐の虎

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私(村上義清)「不可能ではないと思う。ただそうしてしまうと晴信を逃がすことになってしまうことにならないか。」

真田幸隆「ならば殿は染谷台の地の確保を目指しながら武田を尼ヶ淵南東部に追い込んで行ってください。」

私(村上義清)「お前が居るほうに向かってか。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「お前が挟み撃ちにならないか。」

真田幸隆「その前に片側(板垣、甘利)のけりをつけます。」

私(村上義清)「大丈夫か。」

真田幸隆「心配していただけるのでありましたら……この辺りが……。」


 村上義清が武田の兵を尼ヶ淵南東部に追いやり、染谷台を確保したまさにその時……。武田の兵に襲い掛かって来たもの。それは……。


私(村上義清)「神川を堰き止めるのか。」

真田幸隆「はい。残念ながら我が兵力だけでは武田を撃退することは出来ましても完全に殲滅することは出来ません。逃がしてしまうことになります。一度や二度追い払ったところで晴信は諦めることはありませぬ。更なる手を打って来ると思われますし、それだけの国力を持っています。」

私(村上義清)「晴信を討ち取ることの出来る機会は一度しかない。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「そのために武田を尼ヶ淵に誘い込み、堰き止めた神川の水を放流することにより、晴信の退路を断つ。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「神川より千曲川沿いに武田を持って行けば、より退却が難しくなる。」

真田幸隆「水の力(攻撃力)も増します。」


 尼ヶ淵南東部。今の上田駅付近の浸水想定は5m以上。


私(村上義清)「水の力を使っての波状攻撃も期待することが出来る。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「その予算は……。」

真田幸隆「勿論。」

私(村上義清)「……だよな。」


 どんだけ麻を織れば追いつくのだろう……。大量の軽工業品を輸出しても、高い重化学工業品の購入で儲けがすっ飛んでしまう途上国の気分……。


私(村上義清)「でもそうなるとさ……。」

真田幸隆「なんでしょうか。」

私(村上義清)「川の手前に晴信が。」

真田幸隆「既に水の中の可能性もあります。」

私(村上義清)「水の向こうってことは。」

真田幸隆「(一族の)禰津を回しておきます。もっともずぶ濡れになった兵など造作もなく処理することが出来ますが。」

私(村上義清)「それもあるけれども。」

真田幸隆「なんでしょう。」

私(村上義清)「背水の陣を敷いてくる可能性も。」

真田幸隆「勿論ございます。」

私(村上義清)「簡単に言うね。」


 案の定、千曲川に退路を断たれた晴信は……。


私(村上義清)「(結局……こっちに向かって突っ込んでくることになるんだよな……。)」

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