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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
甲斐の虎

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修正

 村上義清本隊による矢と鉄砲の集中砲火により混乱する武田晴信の旗本衆。そこに村上義清は次の手を打つのでありました。


「長槍で以て押し乱せ!!!」


 弓隊と鉄砲隊の前に躍り出たのは200名の長槍隊。その目的は次の2つ。


真田幸隆「1つは混乱した晴信の旗本衆を殿自慢の長槍部隊によって更にかき乱し、集団から個々人に分断すること。そしてもう1つが弓と種子島及び兵の命を守ること。いくさは一度限りではありませぬ。よしんば晴信を討ち取ることが出来たとしましても武田を滅ぼすことは出来ませぬし、敵は武田だけではありませぬ。今は味方となっているものも、いつ何時争いごとになるかわからない世の中であります。矢や玉薬の無い弓隊と種子島隊は丸腰も同然。そんな彼らを見捨てるわけには参りませぬ。」


 長槍が武田勢をかき乱している隙に安全な場所へ移動する弓隊と鉄砲隊。そして……。


「狙うわ1つ!!晴信の首じゃ!!!」


 バラバラになった晴信本陣に突撃を図るのは、村上家選りすぐりの騎兵隊。


「あの旗は……村上義清本人のものであります。」


 『いくさ場の中でも安全な場所で戦況を見守るもの。』

で育てられた武田の旗本衆とは異なり村上の本体に属している兵はと言えば……。


私(村上義清)「どちらかと言えば板垣に近い部隊だからな。うちは……。」

真田幸隆「勿論、殿の家来が中核を担ってはおりますが。大半のものは……。」


 先のいくさで身内並びに生活の糧を奪われ流れて来た志賀の衆。彼らにとって大事なことは……。


真田幸隆「全てを奪い去った武田晴信の首をとることが出来さえすれば、自らの命などどうなってしまっても構わない。確かに強力であります。強力ではありますが、彼らは死に場所を求めいくさに参戦しています。生き抜くことを全く考えてはおりませぬ。相手にとっては脅威以外の何物でも無いのでありますが、それでは困ります。彼らが死なない仕組みを作らなければなりませぬ。」

私(村上義清)「ただ兵の数を考えると、抜刀しない弓、種子島の兵が無いと武田晴信を討ち果たすところまで辿り着くことが出来るであろうか……。」


 村上義清本隊の兵は600。


私(村上義清)「河越の時の(北条)氏康のように隊を4つにわけることが出来るだけの規模は無いからな……。かと言って討ち死にさせることがわかっていて突入させるわけには参らぬ……。」


 矢弾は既に使い切っている。


私(村上義清)「一度や二度であれば、騙すことも出来るかもしれぬが、その都度丸腰で彼らを前線に出させるわけにも参らぬし……。」

真田幸隆「殿。」

私(村上義清)「どうした。」

真田幸隆「弓と種子島が無くとも武田を後退させることは出来ますか。」

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