表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
同盟崩壊

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

525/653

立入禁止

真田幸隆「撃ち方ぁ!!やめ!!!」


 突如として動線を蠢く北条兵への砲火を止めた真田幸隆。それを見た北条の兵士たちは血路を開くべく動線を駆け上がり始めるのでありました。


真田幸隆「殿。城門はそのまま防いでいて下さい。」

私(村上義清)「……ぉっ。おう。わかった。」

真田幸隆「奴らを砦入口に引き付けよ!!」

私(村上義清)「そこ城門よりも弱く無いか?」

真田幸隆「えぇ。故に兵を集中させまする。」

私(村上義清)「お前が白兵戦を望むのは珍しいな。」

真田幸隆「いえ。白兵戦にはなりませぬ。」

私(村上義清)「しかしあの入口では……。」

真田幸隆「はい。破られるのは時間の問題であります。」

私(村上義清)「砦の内側に?」

真田幸隆「その前に決着をつけます。」

私(村上義清)「入口にへばりついた所で種子島を放つのか?」

真田幸隆「まぁ間違っては居ません。ただそうする時は緊急事態と考えて下さい。」

私(村上義清)「種子島から手を離すのは?」

真田幸隆「どちらにせよ使う事に変わりありませんので、まだ持たせておいて下さい。」

私(村上義清)「何か仕掛けているな……。そう言えばあそこの動線だけは俺に見せなかったよな?てっきり、断崖絶壁やじぐざぐの道でも拵えていると思っていたのだが。何てことの無い真っ直ぐな坂道。実際に歩いてみたが、側面の攻撃は確かに怖いがそれを除けば一直線の道。そこからは砦の入口はおろか、城へと通じる土橋も視界に収める事が出来る。力押しすれば何とかなりそうにしか見えないのだが。」

真田幸隆「殿の見識。間違っておりません。」

私(村上義清)「しかしそれがお前の?」

真田幸隆「そうなるハズであります。」

私(村上義清)「でも側面は人力。正面も人力で無ければ防ぐ事は出来ない。特に正面は急増の門。坂道も楽では無いが、堀に比べれば動く事は出来る。途中道が狭くなっているわけでは無いし、視界を遮るような曲がり角も無い。そんな道をお前が立入禁止にして拵えるとは思えない。」


 その間にも北条の兵達は構造物への入口目指し坂道に殺到。しかし砦の中は沈黙を貫くばかり。轟くのは坂道を駆け上がる北条兵の気勢と、城門を防ぐ村上義清隊の砲火の音のみ。坂道を駆け上がる大勢の北条兵。その先頭がいよいよ構造物入口を塞ぐ急増の門に辿り着こうとした。その時……。


 突如として崩れ落ちる坂道。


真田幸隆「(うまく言った。)二度と這い上がる事が出来ぬよう、撃ち放て!!」


 新たな堀に生まれ変わった旧坂道目掛け一斉射撃を浴びせ掛ける真田幸隆。その惨状をただ呆然と見守るしかない城門前の北条兵。その後ろからは『落城した。』と勘違いし、城門目掛け殺到しようとする北条兵。進む事も退く事も出来ない中、城内からは容赦無い砲火が続くのでありました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ