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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
甲斐の虎

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目的

真田幸隆「来る武田晴信とのいくさに際し、我らの目的は晴信の首を取ることであります。」


 村上義清が武田晴信にどうしても勝つことが出来ないもの。それは経済力。一度や二度の侵攻を防いだところですぐに態勢を立て直し晴信は挑んでくる。消耗戦に陥って苦しくなるのは勿論経済的に弱い村上義清のほう。そのことを承知で晴信が戦略を練ってきたら勝つことは出来ないのでありましたが……。


真田幸隆「晴信はこれまで一度のいくさで相手を打ち破ることを選択していましたし、実際。それで成功を収めていました。その勢いのまま我が領内に侵入することが予想されます。」


 そこで幸隆が打った手が。


私(村上義清)「幸隆が崩れたふりに騙された武田勢。特に板垣や甘利をこちらの狙いの地に引き入れることにより、晴信の旗本衆と板垣甘利を分断する。」

真田幸隆「板垣甘利との連絡が取れない状況となり、晴信本隊が動いたところに殿が突撃を図る。目的は勿論。このいくさによって晴信を確実に仕留めること。これを実現するべく殿が示した案が……。」


 弓と種子島を5人ずつ1組とし、各指揮官の号令のもと統一した行動をとる。


真田幸隆「種子島は彼らにとって未知の兵器。」


 このいくさの2年後。京の都におけるいざこざにおいて使用された種子島により、1人の武将が無くなったことを「珍しいこと」として貴族が日記に残しましたり、どれくらいの威力があるのか定かでなかったため、時の将軍足利義晴が築いた城には過剰とも思える壁がそびえ立ったそんな時代。


真田幸隆「ここまでは良いのでありますが、気になるのはここからであります。」


 矢や玉薬が尽きた後、無用の長物となった弓と種子島を投げ捨て。抜刀し、武田晴信本陣目掛け襲い掛かる。


私(村上義清)「全て使い捨てになってしまうんだよな……。」

真田幸隆「玉薬や矢とは異なり消耗品ではない。何度も使うことが出来る弓と種子島。必ずしも安いものではありませぬ。加えて足軽とは申せ。弓と種子島を操ることの出来る人材は貴重。しかも敵の最前線で構える彼らを。相手を恐れさせることの出来る方法が無くなったからと言って、そのまま突っ込ませるのは……。」

私(村上義清)「忍びない……。」

真田幸隆「勿論その後ろから殿の本隊が武田晴信目掛け殺到することになるのでありますが、その中にあって最も危険な任務を負うことになるのは、刀しか持っていない元弓兵であり種子島の兵。」


 そこで真田幸隆が出した修正案は……。

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