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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
同盟崩壊

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不審建造物

 滝山城周辺に到着した北条氏照。そこには彼が本拠地としていた時には無かった構造物が……。

「敵の罠に違いない。」

と察した氏照は力攻めでは無く、城を包囲する作戦を採用。各隊を要所に配し、堀と土塁を築くよう指示。氏照も本陣を構えたのでありました。そんな氏照を目掛け、城外部から北条では無い一斉射撃の銃声が轟くと同時に氏照を挑発する声が。その発信元は勿論、真田幸隆。

 城前方から発せられた真田幸隆の一隊を確認した氏照の先鋒部隊が進軍。声の発信元に辿り着いたのでありましたが、その時既に幸隆は新たな構造物の上に退却済み。北条方の進軍の遅さを罵る真田幸隆。これに激怒した先鋒部隊は、構造物目掛け突進を試みたのでありました。そこに待ち受けていた物。それはは勿論。


 種子島の嵐……。


私(村上義清)「どうすればこれだけ上手く行くの?」

真田幸隆「苦労していますので。」

私(村上義清)「俺の家臣になってから?」

真田幸隆「いえ。殿を転がすのにも役に立っています。」

私(村上義清)「晴信や板垣の時?」

真田幸隆「御館様の所を辞して来ましたので何か不満な点があったのは事実ではありますが、どちらかと言えば実践した場所であります。」

私(村上義清)「そうなると……。」

真田幸隆「殿に追われ、山内上杉の下。塗炭の苦しみを味わった時期に培われたものであります。」

私(村上義清)「それ以前は?」

真田幸隆「国人領主の跡取りでありましたので。」

私(村上義清)「跡取りの気持ちも……。」

真田幸隆「当然わかります。その点では氏政の方が与し易いかもしれません。ただ氏照は氏照で兄に負けてはならない。自分の食い扶持は自分で稼がなければならない。加えて彼は大石家に入った身。家を大きくしなければならない。新たな土地を切り開かなければならないと言う意地があります。しかしそこに落とし穴が待っています。四郎に近い所があります。」

私(村上義清)「無理攻めして来る可能性がある?」

真田幸隆「はい。そこが氏照の怖い所ではありますが、狙い目でもあります。今、氏照の指示に従わず先鋒部隊がいくさを始めてしまいました。そして深刻な被害を被っています。新たな構造物に張り付いたが故に。氏政でありましたら、ここで兵を退くか包囲を強化する作戦を採用すると思います。こちらにとって滝山は、補給に難のある場所でありますから。氏照もそれは重々承知している事と思われます。しかし氏照は滝山の城を落とされた負の実績が存在します。そして今、先鋒部隊が苦戦を強いられています。このまま兵を戻しては彼の威信に関わって来ます。必ずや氏照は兵を進めます。」

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