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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
同盟崩壊

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豊かな土地だけど

私(村上義清)「気候は温暖で日当たり良好。土地も肥え、特産品も豊富。」


 駿河の特産品は絹に綿。塩や茶。それに魚と言った原料に留まらず、織物に染物。鋳物に刀剣など加工技術にも長け、発展を続ける場所。


春日虎綱「加えて、それら産品を積出す港もありますし、金も産出されます。」

私(村上義清)「斯様な土地を兵を損ねる事も無ければ町を破壊する事も無く、掌中に収める事が出来たのなら……。」

春日虎綱「全てを投げ打ってでも守り抜きたいものであります。」

私(村上義清)「幸隆は違うだろうけどな……。」

春日虎綱「そうですね。真田様は父祖伝来の土地を守るため。安全地帯とするために外を目指していますので。」

私(村上義清)「もしあいつの土地が東濃だったら……。」

春日虎綱「間違いなく稲葉山へ突っ込んで行ったと思われます。まぁそれはそれで面白いのかもしれませんが……。」

私(村上義清)「高遠に四郎も居るしな……。」

春日虎綱「独立していただきましょう。」

私(村上義清)「しかし家康は違った。」

春日虎綱「本音は駿府が欲しいのでしょう。三河が本拠地とは言え、彼が自由に使える場所は岡崎周辺と一向宗から奪った権益だけでありますので。より豊かな土地を求め、豊川を渡り東三河。更に国を越えて遠江に入ったのでありますから。ただそれにつきましても三河の親戚筋の協力があって初めて実現する事が出来る。自前の兵には限りがあります。」

私(村上義清)「本当であれば親戚連中も一緒に曳馬に連れて行きたかったんだろうな。」

春日虎綱「そうですね。三河で接しているのがうちと信長でありますので。しかしうちもそうでありますが、父祖伝来の土地に一所懸命であるのは何処も同じ事であります。」

私(村上義清)「(武田)義信の所はそうでも無いよな?」

春日虎綱「かつての私や真田様のような新参者や、(飯富)昌景のような跡取りで無い者が多数取り立てられています。彼らには甲斐国内に継ぐべき土地はありません。やるとすれば土地を分ける事になりますが、一戸辺りの土地が減る事になりますので家は先細る一方。故に禁止されています。そうなりますと自ずと選択肢は決まって来ます。」


 外征。


私(村上義清)「家康はそこまで追い込まれていない?」

春日虎綱「現状、曳馬までで事足ります。厳密にはその曳馬の安定化収益化が最優先でありますが。」

私(村上義清)「ただ安全に撤退するとなると……。」

春日虎綱「興津の穴山が気になりますし、大井川もあります。」

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