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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
同盟崩壊

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横山城

真田幸隆「穴山信君は今、横山城に居ます。」


 横山城は、甲斐と駿河を結ぶ交通の要衝にあった城で別名興津城。ただその場所に気になるところが……。


私(村上義清)「横山って興津川の西側だよな。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「穴山が戦っていたのは大宮城だったよな。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「富士川の東の。」

真田幸隆「えぇ。」

私(村上義清)「その間には薩埵山があり。」

真田幸隆「北条氏政の主力が駐屯し、通りを遮断しています。」

私(村上義清)「だよな。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「しかし今、穴山は薩埵山の西。興津川の対岸にある横山城に居る。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「と言う事は氏政は駿府への入口を完全に塞ぐ事は出来ていない。」

真田幸隆「そう見て間違いありません。」


 甲斐からは富士川の水運を使って駿河へ出るのが基本でありますが、今の国道52号線を伝って興津。更には駿府へ入る事も可能。


真田幸隆「北条に土地勘のある陸路は富士川以東であるのに対し、穴山は今川との折衝を担っていましたので。」

私(村上義清)「抜け道は他にも知っていた?」

真田幸隆「そう見て間違いありません。その証拠に穴山は、氏政と事を荒立てることなく富士川。更には興津川を渡る事に成功しています。」

私(村上義清)「ところで救援部隊として駿河に入った穴山が義信の本隊に合流したのは得策だったのか?彼の役目は理想は後詰め。課されたのは氏政の退路を断つための大宮城の攻略であったハズ。」

真田幸隆「確かにそうであります。」

私(村上義清)「その穴山が大宮を抜く事も無いまま興津川を渡ってしまったとなると……。」

真田幸隆「えぇ。薩埵山以東で北条を阻害出来るものは何1つありません。」

私(村上義清)「義信は駿府に根を下ろす決意を固めた?」

真田幸隆「そのためには甲斐との連絡。駿東の自領化が出来なければ意味がありません。」

私(村上義清)「甲斐から更に増派をする?」

真田幸隆「可能性は無きにしもあらずでありますが、土地勘のある穴山葛山でも大宮城を攻略出来なかった事を見ますと得策ではありません。」

私(村上義清)「関東に居る反北条陣営に働き掛けを行う?」

真田幸隆「確かに当主の氏政が動いている以上、主力は駿河に居ます。小田原が手薄であるのは事実であります。しかし北条は強大。駿河から戻さなければならない事態には陥らないでしょう。」

私(村上義清)「ではどうするのだ?」

真田幸隆「義信は今の局面を打開するために、穴山を横山に容れたのであります。」

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