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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
同盟崩壊

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同盟関係にあらず

真田幸隆「甲斐を守るためでもあり、甲斐を攻めるためでもあります。北条と武田は駿河おいて相争っています。もし北条が駿河に全勢力を投入した場合、恐らく武田は持たない物と思われます。それを避けるため、上野に新たな戦端を開くべく輝虎など関係各所と調整している所であります。」

私(村上義清)「(調整役は私なんだけど……。)」

真田幸隆「ここで問題となるのが武田と北条それぞれの本拠地の位置関係であります。甲斐と相模は接しています。ただ今すぐ義信が相模に攻め込む事は出来ません。何故なら義信自らが今、駿河に入り、そこから甲斐へ戻る道が北条によって塞がれているからであります。一方の北条はどうでしょうか?駿河には氏康の嫡男氏政が入っています。彼は当主でありますし、主力の部隊が派遣されています。その点は義信と同じでありますが、氏政が相模に戻る道は確保されています。加えて北条には氏康を始め、氏照に氏邦など独立した部隊を編成する事が出来る人物と、兵が関東に居ます。彼らの動きを封じる事の出来る唯一の存在とも言える上杉輝虎は上野に入るのに手一杯であります。そのため、彼らはいつでも兵を動かす事が出来ます。

 もし氏康らが標的を義信不在の甲斐に定めた場合、甲斐は持ち堪える事が出来るのか?甲斐の国は20年近くいくさの場にはなって居ません。難しいと考えて間違いありません。」

私(村上義清)「その抑止のため、攻撃力のある四郎を(甲斐との国境地帯にある)諏訪に移すと言う事か?」

真田幸隆「それが1つであります。もう1つは、もし武田と北条が和解した場合であります。北条は上野へと兵を進めます。武田も同調します。輝虎は資源を渡すだけの立場になりますので、直接介入して来る事はありません。私が対処しなければなりません。上野がいくさの場になる。それも武田も敵として。となりました場合、義信は何処に狙いを定める事になるでしょうか?1つは上信国境地帯。2つ目が天竜川。そして3つ目に来るのが諏訪であります。

 上信国境については私と私の息子たちで対応します。天竜川は虎綱が徳川と共にあたります。問題は3つ目の諏訪であります。私はその時上野に居ます。流石に距離が離れ過ぎています。別の誰かに委ねなければなりません。しかし出来る事なら避けたいのが本音であります。そこで四郎であります。彼を諏訪に置いた理由は守るためではありません。攻める事。甲斐を奪う事であります。」

私(村上義清)「『もし上野で何かあったら作動させよ。』そう言う事か?」

真田幸隆「仰せの通りであります。」


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