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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
同盟崩壊

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無主の国2

私(村上義清)「うちが今、兵を動かさなければならない場所は無いハズだが……。」

真田幸隆「確かにその通りであります。」

私(村上義清)「北は上杉。越中と飛騨は山。西は織田に南は徳川に武田。残る東にしても……。」

真田幸隆「お気付きになられましたか?」

私(村上義清)「上野か?」

真田幸隆「はい。上野は上杉輝虎が治めています。しかし彼の威光が及ぶ範囲は利根川の西側に限られています。その西側につきましても南部は義信が進出している所であります。輝虎は毎年冬を前に上野に入っています。入っていますが、彼の活動はここ数年。上野のみに留まっています。その原因を作っているのが……。」


 北条高広の離脱。


真田幸隆「上杉が今、上野において安心出来る場所は越後からの入口。沼田城だけであります。到底関東の奥深くまで兵を展開する事は出来ません。残る上野につきましても南から北条。西から武田が共同してこれまで脅かして来ました。しかしここで思わぬ事態が発生しました。そうです。武田と北条の仲違いであります。」

私(村上義清)「武田と上杉が共同して上野にあたる事になる?」

真田幸隆「普通に考えればそうなりますが、輝虎は本気で関東を目指しているわけではありません。彼の関心は越中に向いています。武田につきましても進出路が限られていますし、駿河で難しい立場に立たされていますので上野で大規模に兵を展開する事は現時点では難しい状況にあります。加えて武田はこれまで西上野を目指していました。目的は勿論武田義信自らの収入を増やすためであります。当然、そこに居る国人を追い出す事を目指し活動をしています。そんな相手を上杉と同盟したからと言って信用しますか?しないでしょう。」

私(村上義清)「そこでお前の伝手が活きて来る。と言う事か。」

真田幸隆「御意であります。」

私(村上義清)「しかし関東に入るとなると兵站が難しくなるぞ。今の話を聞いていると西上野の衆の利権はそのまま認めるわけだから自活も出来ない。かと言って彼らを守る義務は発生する。」

真田幸隆「ですので『関東管領の名代』として入るのであります。必要物資の全ては越後から供給していただきます。」

私(村上義清)「その交渉は……。御免。愚問だったな。」

真田幸隆「御意。」

私(村上義清)「誰が行くのだ?」

真田幸隆「私が行きます。」

私(村上義清)「信濃(のお前の管轄地)はどうする?」

真田幸隆「尼ヶ淵につきましては息子たちに委ねます。自前での補給も必要でありますので。」

私(村上義清)「では諏訪はどうする?」

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