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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
甲斐の虎

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拗ねてる?

 武田晴信が山本勘助に依頼したもの。それは……。


真田幸隆「国内の様々な法律を整備することでありました。」

私(村上義清)「一応朝廷なり幕府なりの法律はあるのではあるが……。」

真田幸隆「無視しているでしょ。」

私(村上義清)「しょうがないだろ。奴らに言ったところで役に立つわけではないし、賄賂送れば簡単に転ぶ連中なんだからさ。」

真田幸隆「上がそんな状況であることに加え、これだけ不作が続きますと生きていくためにはなりふり構ってはいられませんでしたからね。」


 戦国時代は小氷期。


真田幸隆「だからと言って、勝手に攻め込んでいいわけではありませんけどね。」

私(村上義清)「俺のこと言ってる。」

真田幸隆「いえ。まぁ……。そんな状況でありましたので、それぞれの地域の代表者の裁量次第で物事が決まる状況にありました。それは甲斐の国も同じでありました。このままですと事あるごとに各々がそれぞれの解釈のもと。好き勝手に行動されてしまうことになりかねません。晴信もそのような体験をしたことがあるのかもしれません。」

私(村上義清)「言うても国人強いからな。」

真田幸隆「統一した法と言うものの必要性を武田晴信は感じていました。そんな晴信のところにやって来たのが山本勘助。」

私(村上義清)「(目を通しながら)喧嘩両成敗があるな……。」

真田幸隆「勘助は長年。今川の法が適用される駿河に住んでいましたので。」

私(村上義清)「不本意極まりない形ではあったがな。」

真田幸隆「はい。変な話、『今川が使っている法の中で、良いところは活かし。不備のあるところは直し。加えたいところは加え。無いほうがよいものは記さずに。』と言うことを勘助は出来ますので。」

私(村上義清)「しかも今川の中枢たる雪斎と繋がりのある家に居たわけだから当然薫陶を受けていたであろうし。」

真田幸隆「良いものが出来るに決まっていますよね。当然。」

私(村上義清)「(……拗ねてるな。)今や800貫の侍大将だからな。」


 ほぼ1億円プレーヤー。


真田幸隆「落ち延びる場所が東しか残されていませんでしたから。私には……。」

私(村上義清)「でも馬があり。槍を持ち、小者も付けて入国出来たんだろ。」

真田幸隆「……直接晴信に会える立場では無かったですからね……。」

私(村上義清)「(まぁまぁ。)勘助の献策もあって出来た武田の分国法である甲州法度次第を読んでみて気になるところが……。ここって……。」

真田幸隆「……あぁはい。これですね。そうそう『この法律は武田晴信にも適用されます。』ですよね。」

私(村上義清)「本当にそうなるの?」

真田幸隆「現実問題。晴信より力の強いものはいませんので実際に適用されるかどうかはわかりませんが、文書に記し自ら署名。晴信自身が実際に行動することに価値があると思います。たぶんでありますが、駿河はそうでは無いのでありましょう。だから勘助はこの条文を記したと思います。是非我が領内でも。」

私(村上義清)「(……嫌です。)」

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