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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
同盟崩壊

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15年

 武田義信。駿府の無血開城に成功。


私(村上義清)「氏真はどうしている?」

真田幸隆「どうやら掛川に逃れたようであります。」

私(村上義清)「そこはまだ氏真を?」

真田幸隆「はい。城主の朝比奈泰朝は氏真を見限ってはおりませぬ。」

私(村上義清)「しかし彼の地は先の線引きで安全になっていたハズ。ロクな備えも為されていないであろう。」

真田幸隆「確かに駿河は今川。天竜川東岸は武田の管轄になっていましたので、掛川がいくさに巻き込まれる恐れは無くなりました。しかし朝比奈は長年。三河の抑え並びに対織田の最前線で戦って来た人物。もしもの時の備えを怠る事はありませんでした。泰朝は氏真に『兵糧、武器玉薬に至るまで15年は不足する事はありません。』と豪語したとか。」

私(村上義清)「実際の所は?」

真田幸隆「……わかるでしょう。」

私(村上義清)「そうだな。ただ駿府が義信の手に落ち、天竜川東岸も武田。そこに氏真が落ち延びて来たとなると当然。」

真田幸隆「義信の追っ手が迫る事になります。」


 武田義信。掛川城を包囲。


私(村上義清)「氏真に動きは見られるか?」

春日虎綱「家康に援軍を要請した模様であります。」

真田幸隆「となると氏康にも同様の働き掛けをしていますね。」

私(村上義清)「武田に東西を封鎖されているのだろ?」

春日虎綱「高天神も氏真陣営に留まっていますので。」


 高天神城は今の掛川市南部にあった城。


春日虎綱「遠江東部の制海権を確保する事は出来ています。」

真田幸隆「家康は動くか?」

春日虎綱「元々の線引きは大井川でありましたので、天竜川を渡りたい気持ちはあるでしょう。ただ氏真の居る掛川には備えがあるとは言え、あくまで籠城するための物であります。自ら外へ打って出るだけの原資はありません。それは武田もわかっています。仮に家康が天竜川を渡った場合、武田のほぼ総兵力を相手にしなければならなくなります。武田は無傷です。川を背にしているのは家康です。それだけの危険を冒した所で、徳川と今川は和睦済み。線引きが確定済みでありますので得る事が出来る物はほとんどありません。」

真田幸隆「家康は動かない?」

春日虎綱「正確には動けないになりますか……。加えて武田と北条の同盟関係は継続しています。『義信が氏真を倒しても構わない。』と……。いづれ高天神も切り崩される事になると思います。そうなりますと、相模から遠江に乱入する事も不可能では無くなります。氏真が居ない。統治者としての役目を果たす事の出来る義信と氏康に狙いを定められる選択肢を家康は採らないと見て間違いありません。」

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