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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
甲斐の虎

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初任給

真田幸隆「板垣信方からの話を聞いた武田晴信は、山本勘助に対し100貫で召し抱えることを申し入れるのでありました。」

私(村上義清)「なんの実績もない40過ぎの。それも今仕事を探している親父に100貫もの大金で!?」


 因みにのちの関白豊臣秀吉が織田信長に雇用された時の給料は15貫。今の金額に換算しますと年180万円。月に直しますと15万円。もちろん当時は残業手当などはありません。年180万円固定給。そんな時代に武田晴信は山本勘助に対し100貫。1000万円以上の年俸を提示。


真田幸隆「あまりの大金に心配した居候先の庵原忠胤から『確約書をとるように。』と助言されたのでありました。」


 『見習い期間はこの金額で。』と言われ働き始め。使用期間が無事終わり。本採用となったあとも見習い期間の額でこき使われることは昔も今もよくあった話のようであります。


私(村上義清)「それで勘助はどうしたのだ?」

真田幸隆「『必要ありません。私がやりたい仕事に就くことが出来るのであれば、たとえ反故にされることになっても構いません。』と断りを入れ甲斐へ赴くのでありました。」

私(村上義清)「……典型的な騙される例だと思うのだが……。お前の時はどうだったんだ。」

真田幸隆「その勘助に拾っていただきましたので。」

私(村上義清)「確約書は?」

真田幸隆「もちろんとりましたよ。」

私(村上義清)「そうだよな……。」

真田幸隆「武田晴信は、甲斐へ向かう山本勘助が家臣に侮られることが無いよう板垣信方に指示を出します。」

私(村上義清)「色黒で、必ずしも端正な顔立ちでは無く。身体に無数の傷を負った上、隻眼で足が不自由。雪斎の身内の家に居たとは言えそこは牢人。武具や着ものもけっして良いものでは無かったであろうに……。」

真田幸隆「当初。勘助は『それで構いません。』と言っていたそうです。」

私(村上義清)「……晴信はそれでも良いかもしれないけど、周りは……。」

真田幸隆「渋る勘助に対し、板垣は半ば強引に着替えさせた上。馬に乗せ。槍を持たせ。小者も付けさせて甲斐に入れたのでありました。」

私(村上義清)「もし自分が勘助だったら逆に不安を覚えるな……。」

真田幸隆「話が大きくなり過ぎてやいないか。と……。」

私(村上義清)「因みにお前の時は?」

真田幸隆「本領を追われたとは言え、……母が海野の娘でありますので、『馬が無い。槍は持っていません。小者を雇う金なんかありません。』と言うほど酷くはありませんでしたし……。」

私(村上義清)「もう既に勘助が居たわけだしな。」

真田幸隆「えぇ。」


 甲府に着いた山本勘助は武田晴信との対面を果たすのでありました。

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