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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
元亀争乱

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通行不能

 本拠地を越前に持つ朝倉義景がこの時期気になるものと言えば当然……。


春日虎綱「雪になります。」


 冬の時期。北陸路を閉ざす豪雪。上杉輝虎は雪により本国越後を攻め込まれる心配が無い事を利用して関東に遠征しているのでありましたが、それを可能としているのが……。


真田幸隆「あいつは上野に関東の拠点を持っていて、かつ北条の勢力圏から乱取りする事が出来るからな……。」

春日虎綱「はい。朝倉が同じ事をやろうと思えば出来るのかもしれませんが、北近江は同盟者の浅井長政の勢力圏でありますし、信長が押さえている南部につきましても共同で戦っている六角や比叡山の所領であった地でありますので行う事は出来ません。越前からの補給のみが頼みの綱であります。ただそれも難しくなる時期が近づいています。」

私(村上義清)「だからと言って兵を戻す事は出来ない?」

春日虎綱「信長に包囲されている手前、簡単ではありません。それに加えてまして……。」


 1583年の羽柴秀吉と柴田勝家が対立した際、秀吉は北陸に拠点を置く柴田勝家が雪により畿内での行動が制限される冬の時期を狙い柴田方の北近江と美濃の攻略に成功したのでありました。


春日虎綱「朝倉の兵が無ければ浅井は態勢を維持する事は出来ません。」

真田幸隆「かと言って朝倉が信長と戦おうとは考えて居ない?」

春日虎綱「はい。」

真田幸隆「何のために兵を動かしたんだ。あいつは?」

春日虎綱「兵を見せる事によって、信長へ自制を働き掛けようとしたのかもしれません。」

真田幸隆「上から目線だな。」

春日虎綱「そうですね。」

真田幸隆「通じると思うか?」

春日虎綱「一時的には。」

真田幸隆「期間はどれくらいになると思う?」

春日虎綱「和睦を結び、信長が無事美濃に帰るまでになるかと思われます。」

真田幸隆「その後は?」

春日虎綱「上洛するまでに信長は何回失敗したか。越前手前で逃げ帰った直後に信長はどのような行動に出たのかを見ればわかる事かと。」

真田幸隆「だよな。その事は当然……。」

春日虎綱「朝倉はわかっています。」

真田幸隆「ただこのままだと……。」

春日虎綱「はい。比叡山に居る朝倉浅井の兵糧は尽きる事になります。」

真田幸隆「そこまで信長は待つ事は出来るか?」

春日虎綱「長島の件がありますので、1日でも早く美濃に戻りたいのが本音ではあります。ありますが、比叡山への後詰めの心配が無い。朝倉の兵糧が北陸の雪が融ける春先まで持たないのであれば包囲を続けても構わないと考えているかもしれません。」

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