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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
元亀争乱

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ハッタリ

 翌朝。織田信長は近江へ出陣。


私(村上義清)「寝てないよな……。」

春日虎綱「信長はまだ日が変わる頃に京に辿り着く事が出来ましたので少しは時間があったかと思われますが、その他の将と兵につきましては……動く事の出来る者を連れて行ったのでありましょう。」

私(村上義清)「因みにどれくらい近江に出たのだ?」

春日虎綱「主立った家臣は皆信長に従っています。」

真田幸隆「しかしまともに戦う事は出来ないであろう。」

春日虎綱「はい。ただ信長にとって必要なのは実戦が出来るかどうかではありません。」

私(村上義清)「と言うと?」

春日虎綱「信長にとって必要なのは、相手の不意を衝く事であります。朝倉と浅井が山科に進出したのは3日前。その時信長は野田福島の地において三好と本願寺の反撃に防戦一方の状況にありました。朝倉と浅井からすれば、信長は当分野田福島の地から離れる事は出来ないと踏んでいたと思われます。場合によってはそこで織田軍が壊滅的打撃を被る可能性も出ています。その辺りの情報が彼らに届いていた頃では無かったかと……。」

私(村上義清)「そこに来るはずの無い信長が、多くの兵を引き連れ目の前に現れた。」

春日虎綱「はい。驚いた朝倉と浅井は信長との決戦を避けてしまいました。」

真田幸隆「もし戦っていたら?」

春日虎綱「その後の兵の補充が間に合う状況にはありませんので、朝倉が信長を倒した可能性はありました。ただ朝倉と浅井には先のいくさ(姉川の戦い)の経験。後から信長軍の兵が合流して来た事が戦いを躊躇した原因では無かったかと思われます。信長のはったりに騙されてしまった。信長は朝倉を騙す事に成功した。勿論、信長が平素から持つ経済力と動員力があって初めて成立する事は言うまでもありません。」

真田幸隆「朝倉と浅井は何処へ?」

春日虎綱「南近江は信長の勢力圏にあります。交通の要地にあります宇佐山城も信長の管轄を維持しています。京も勿論信長が押さえています。朝倉と浅井は敵中で孤立。(浅井の本拠地)北近江に戻るのは容易な事ではありません。」

真田幸隆「それならば尚更信長とのいくさを避けてはならなかった?」

春日虎綱「はい。時間が経てば経つ程、態勢を立て直した信長軍により包囲が厳しくなる事は目に見えています。」

真田幸隆「しかしいくさを避けたと言う事は、彼らの安全を確保する事が出来る場所が存在している?」

春日虎綱「はい。」

真田幸隆「しかも信長に対し、憎悪の念を抱いている所がある。と言う事だな?」

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