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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
甲斐の虎

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武田晴信の思い

真田幸隆「武田晴信の軍制改革に対する思いは尋常ならぬものでありました。」


 日本では古来より各々が磨いた技量に裏打ちされた気合で持って他を圧倒することにより、自らの土地を守り。更なる土地の獲得を目指したのでありました。しかしこれは必ずしも万能なものではありません。紛争の大規模化、長期化に伴い限られた少数精鋭だけでは対応することが出なくなりました。身体が持ちませんし、ほかにも仕事があります。それには「数」を揃える必要に迫られるのでありました。『誰かが休む。』と言っても紛争の只中。その人がいないと強度が落ちてしまっては元も子もありません。敵はいつ攻めて来るかわかりません。そこで生まれて来るのが、1人の力で無くても出来る。集団でもって、突出した敵に対応することが出来る陣形でありました。


真田幸隆「ただその陣形は名ばかりな代物でしかありませんでした。」


 『固まることを魚鱗』『横に広がることを鶴翼』と言った程度に留まっていました。しかも……。


真田幸隆「その運用は全ての部隊に行き渡ってはおりませんでした。」


 そのため覚悟を決めた小さな勢力が大きな勢力をうっちゃることもしばし……。


真田幸隆「そうはさせぬものを。しかも突出した能力を個々に求めなくてもよいものを晴信は考えておりました。」

私(村上義清)「でもそれって……晴信が国持大名。それも直轄支配出来る範囲が大きかったからであろう。」

真田幸隆「はい。晴信が国人に頼らなくとも戦うことの出来る自前の兵を持っていました。」

私(村上義清)「それが無ければ国人が言うことを聞かないからな。」

真田幸隆「はい。しかし晴信の部隊に属するものの全てが突出した能力を有していたわけでは必ずしもありません。各自持っているものに応じ、役割の分担を図っておりました。」

私(村上義清)「それでも武田は強い……。」

真田幸隆「そこで登場したのが陣形であります。ただそれには難点がございます。」

私(村上義清)「……。」

真田幸隆「晴信は大陸で用いられて来た陣形を学んでおりました。このこと自体は殿もされていたことかと思われます。」

私(村上義清)「……。」

真田幸隆「大陸において実践されて来たものがまとめられたものでありますので、大変優れたものであり、かつ実用的なものでありました。ただそれが普及することはありませんでした。その理由は何か?」

私(村上義清)「よその国の言葉って難しいよね……。」


 高校の英語の授業で挫折しました。


真田幸隆「はい。晴信はこの文書を誰であっても理解することが出来るように翻訳し、実戦に適用することの出来る人物を探していました。」

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