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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
元亀争乱

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不審船

 越後から大量に送り付けられた塩。全ての宛先が甲斐もしくは遠江の武田領。義信はいったい何を目的に塩を買い付けたのか?そもそも本当に塩なのか?中身を改めたい衝動に駆られるも送り主は上杉輝虎。受取人が武田義信である以上、封を開く事は許されない。様々な疑問が渦巻く中、最も無難な人間に届けてもらおうと義信の弟である高遠四郎勝頼に依頼。無事甲斐遠江に運ぶ事が出来たのでありましたが……。


高遠勝頼「殿。」

私(村上義清)「大変であったであろう。」

高遠勝頼「私が運んだわけではありません。」

私(村上義清)「しかし差配はしただろう?」

高遠勝頼「良い経験になりました。」

私(村上義清)「問題無く運ぶ事が出来たか?」

高遠勝頼「その事なのでありますが……。」

私(村上義清)「何かあったか?」

高遠勝頼「2つありました。」

私(村上義清)「申してみよ。」

高遠勝頼「まず1つは家康の目であります。輸送には船を使いますし、道もありますがそちらにつきましても基本川伝いとなっています。その輸送に使いました川は勿論天竜川。武田と徳川の境を流れる川であります。ただ現状、表向きでありますが武田と徳川に問題は発生していません。うちからの物資の行き来も滞りなく行われています。ですのでうちの船が天竜川を使う事自体に問題はありません。」

私(村上義清)「そうだな。」

高遠勝頼「しかし今回。普段とは異なる点が2つあります。1つはうちが平素。物を運ぶ目的は京へ出荷する。もしくは京から荷物を運び入れるためであります。そうなりますので当然船は河口まで行き、そこで積み替えられ西に向かう事になります。しかし此度の目的地は異なります。遠江の武田領であります。途中まで下っていた船が突如停泊し、荷物を下ろした後信濃へ戻っていく。それも普段は絶対にしない空荷で……。」

私(村上義清)「二俣と見付で欲しい物って無いな……。」

高遠勝頼「2つ目が送った船の数と積み荷の量であります。信濃からの出荷は基本。三河や津島へ向け行っています。天竜川はあくまで副次的なものでしかありません。普段、それ程多くの船が行き来しているわけではありません。そこに川と言う川を埋め尽くす船が下るのであります。いくさでも無ければあり得ない数であります。」

私(村上義清)「虎綱がうまくやってくれたのだろ?」

高遠勝頼「えぇ。あとで昔の事を思い出す位……詰められました……。」

私(村上義清)「それも含めて良い経験になっただろう?」

高遠勝頼「……そうであったと言えるように頑張ります……。」

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