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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
甲斐の虎

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町まるごと

 半年前。


私(村上義清)「甘利が入って来たところで脇に隠れていた領民が騒ぎ、これに甘利らが気を取られている隙を突き仕掛けてあった干し草に火を付けて回る……。冷静に考えてみればお前(真田幸隆)のところの領民。……全員戦えるからな……。それに全員がお前のことを支持している……。」

真田幸隆「羨ましいでしょ。」

私(村上義清)「……そうだな……。でも本当に甘利はここに来るのか。」

真田幸隆「板垣が動けば甘利は動きます。板垣が調子に乗っても甘利は動きます。そして板垣が崩れても……。」

私(村上義清)「甘利は決して板垣を見捨てることはない。」

真田幸隆「同じことは武田晴信に対しても言えますし、武田晴信も同様。」

私(村上義清)「つまり武田晴信が危機に陥った時、2人が助けに行くことが出来ないようにしなければならない。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「火が付いたところで、お前が甘利の後ろに回り込み。」

真田幸隆「城から弟(矢沢頼綱)が打って出ることになります。」

私(村上義清)「そうなるとお前のところに甘利が……。」

真田幸隆「そうなったとしても一気に。とはならぬよう柵を要所に配置します。」

私(村上義清)「入る時は容易だけれども出る時は……。」

真田幸隆「そんなところでしょうか。」

私(村上義清)「矢沢のほうは?」

真田幸隆「彼には火付けに専念していただくことにしております。」

私(村上義清)「……町を焼き尽くすってこと。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「当然お前の身内の建物も。」

真田幸隆「既に了解はとっております。」

私(村上義清)「本当に?」

真田幸隆「はい。『いくさが終わったら殿が責任もって修復する。』と伝えましたら皆喜んで。」

私(村上義清)「それって……。」

真田幸隆「申し訳ございません。事後報告になってしまいました。」

私(村上義清)「……。」

真田幸隆「次はこのようなことにならぬよう国分寺から尼ヶ淵までを網羅した城を造れば良いのでありますから。」

私(村上義清)「お前のカネで。だよね。」

真田幸隆「いえいえ。領民には『殿が責任をもって。』と既に伝えてしまっておりますので申し訳ございません。」

私(村上義清)「……元は領民から納付されたものだからな……。でも幾ら掛かるんだよ……。」

真田幸隆「有難き幸せ。」

私(村上義清)「ところで……この項目って必要?」

真田幸隆「効率を考えますと必要ではないかと思われますが。」

私(村上義清)「これってさ……。」

真田幸隆「存じ上げております。」


 武田を防いだだけだと俺……破産する……。

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