表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
元亀争乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

401/653

人質でもあり

真田幸隆「まぁ浅井の中には、朝倉に関係の深い者も居れば織田の者が居ますので。」

私(村上義清)「そうだよな……。うちで言えば、越後の上杉については国清で上野側は幸隆。織田徳川については虎綱が担当している。」

春日虎綱「同盟関係にはありませんが、武田に北条。そして今川については幸隆様が。」

真田幸隆「一向宗は虎綱が見ている。同じような事は当然ほかの家も行っています。」

私(村上義清)「しかし今回は朝倉方で働く。信長との関係を断つ事で浅井家中は一致したのでは無いのか?」

春日虎綱「確かにそれは事実であります。それが無ければ信長の退路を断つような行動は起こしませんので。起こす以上は、絶対に信長を討ち果たさなければならない事も長政は重々承知していたと思われます。」

私(村上義清)「しかし取り逃がしてしまった。残された織田方を叩く事すら出来なかったのは何故であろうか?」

春日虎綱「1つは温度差では無いかと?」

真田幸隆「義景との温度差か?」

春日虎綱「はい。長政はこの機会を逃すわけにはいきません。何故ならその後、信長から反撃される事がわかっているからであります。信長は尾張と美濃。それに伊勢と南近江。更には畿内に影響力を及ぼすばかりか天皇様と将軍様を手元に置いています。一方の長政は江北の一部しかありません。まともに戦って勝つ事が出来ない相手である事に加え、江北は美濃と京の通り道に位置して居ます。

 それに対し朝倉義景はその通り道から外れ、冬は雪に守られた越前に本拠地を構えています。経済力も豊かであります。信長も簡単には倒す事が出来ない相手であります。故に今回、後ろを見せる信長を追い掛ける事も可能であったにもかかわらず、彼らを逃がしてしまいました。しかしそれはある意味仕方の無い事かもしれません。彼にとって大事なのは信長を倒す事では無く、信長を追い払う事でありましたので。」

真田幸隆「本来は信長を木ノ芽峠を越えさせて叩く予定であったのだろう?」

春日虎綱「はい。」

真田幸隆「となると出陣の準備段階で信長に漏れてしまった事が一番の失敗だった?」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「しかし浅井家中は一致していたのだろう?」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「では何故漏れてしまったのだ?」

春日虎綱「長政の妻であります。」

私(村上義清)「信長の妹?」

春日虎綱「はい。彼女の情報で信長は確証を得た模様であります。彼女は長政の妻であり、浅井にとっては人質でもあります。しかし彼女の役割はそれだけではありません。彼女は織田と浅井を繋ぐ役目も果たしていますし、織田信長の密偵の任も担っております。その彼女を長政は信用してしまった事が、今回の失敗の原因では無いかと見ています。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ