表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
元亀争乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

396/653

総退却

 数日後。京より報せが。


春日虎綱「申し上げます。織田信長が行方知らずになった模様であります。」

真田幸隆「若狭で何かあったのか?」

春日虎綱「わかりません。追って報告します。」


 しばくらして。


春日虎綱「織田信長。京に戻った模様であります。」

真田幸隆「兵の様子はわかるか?」

春日虎綱「詳しい事はわかりませんが、報告によりますと到着したのは30日の子の刻。その時、信長に従った者は10名程との事でありました。」

真田幸隆「そんな遅い時間に。それも10人しか居ないとなると殿。」

私(村上義清)「遠征先で何か良からぬ事態が発生して、他の部隊を置き去りにして一目散に京に戻ったな……。」

真田幸隆「そこには家康は居なかったのか?」

春日虎綱「10名は皆。信長の供回りであります。」

真田幸隆「信長の様子はわかるか?」

春日虎綱「いつもと変わらぬ様子であります。」


 その後。


春日虎綱「どうやら本隊も無事。京に戻ったようであります。」

真田幸隆「家康もか?」

春日虎綱「はい。どうやらしんがりを務めていた模様であります。」

真田幸隆「違うだろ。信長以外の全員が結果的にしんがりになってしまったのであろう。その後、信長はどうしている?」

春日虎綱「六角が支配していました近江の南部地域に佐久間信盛ら重臣を配置しています。」

真田幸隆「信長はどうしている?」

春日虎綱「はい。態勢を立て直すため岐阜に戻るとの事であります。」


 それから半月。


春日虎綱「織田信長。無事岐阜に戻ったとの事であります。」

真田幸隆「信長にしては時間が掛かっているように思われるが……。」

春日虎綱「はい。近江南部から伊勢に出た後、尾張を経て美濃に戻ったとの事であります。」

真田幸隆「えらい遠回りをしたなあいつ……。殿。行きは美濃からそのまま近江に入られたのですよね。」

私(村上義清)「うむ。」

真田幸隆「態勢を立て直すためともなれば、急ぐ必要があります。にもかかわらず、わざわざ遠回りをした……。加えてそれまで素通りしていた近江南部に家臣を配置した……。支配体制が確立したと言えばそれまでの事ではあるが、抑えておかなければならない事情が生じたからとも言える。」


 新たな情報。織田信長が近江を抜けるのに要した日数は10日。


真田幸隆「やはり掛かり過ぎている。」

春日虎綱「そうですね。」

真田幸隆「少なくとも信長は若狭ないし越前で想定とは異なる。それも良からぬ事態に遭遇している。」

春日虎綱「はい。」

真田幸隆「すぐにでも美濃に戻りたい所ではあるが、最短の道のりでは戻る事が出来ない事情が生じている。」

春日虎綱「はい。」

真田幸隆「その相手を倒さなければならない状況に現在ある。と……。虎綱。」

春日虎綱「はい。」

真田幸隆「もう少し調べてくれ。」

春日虎綱「わかりました。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ