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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
元亀争乱

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帰国

 2ヶ月後。


真田幸隆「これは殿!お疲れでありましたな。」

私(村上義清)「……何事も無く終わって良かった……。」

真田幸隆「少々きつい日程でありましたが、無事間に合いましたか?」

私(村上義清)「その事なんだけど実は……。」

真田幸隆「遅刻してしまったのでありますか?」

私(村上義清)「予定よりも遅くになってしまった事は確かである。期日に間に合わなかった事は確かではあったのだが、それには理由があってな……。」

真田幸隆「途中。何かあったのでありますか?」

私(村上義清)「実はな。私が岐阜を通ろとした時、信長がまだそこに居たんだよ。」

真田幸隆「何と!?」

私(村上義清)「俺の日程でも相当厳しくなるぞ。と覚悟の上で出発したのではあったのだが、当の信長がまだ準備の途中だったのだよ。」

真田幸隆「殿は信長を追い越して?」

私(村上義清)「いや。そこで捕まった。『折角ですので、一緒に行きましょう。別に(招待状を送ったわけでは無いので)義務で上洛する立場には無いのでありますから。』と。」

真田幸隆「それで同行。」

私(村上義清)「10日近く岐阜に居たよ。で、出発したのが25日。その段階で一週間以上の遅刻だよ。」

真田幸隆「信長にしては珍しいですね。」

私(村上義清)「その道中ものんびりしたものであってな。途中、近江の相撲取りを集めて観戦に興じたりなどしておった。5日掛けての上洛であった。」

真田幸隆「そこには当然……。」

私(村上義清)「堅田や坂本には公家や幕府の奉公衆。それに京の民は吉田まで信長を出迎えに来ておった。」

真田幸隆「殿に信長の力を見せつけるためだったかもしれませんね。」

私(村上義清)「別に今の関係を壊すつもりは無い。」

真田幸隆「そうなりますと敢えて信長がゆっくり上洛したのも……。」

私(村上義清)「誰が来て、誰が無視するのかを見定めるためだったと思われる。」

真田幸隆「そんな中、呼んでも居ない殿の突然の来訪は……。」

私(村上義清)「虎綱が段取りを付けてくれていたとは言え、喜んでおった。」

真田幸隆「それは何よりでありましたな。ところで来なかった者は居ましたか?」

私(村上義清)「越中や出雲からは流石に難しいであろう事は信長も承知しておった。それでも本人は来る事が出来ないまでも沙汰は届いたと聞いている。そんな中にあって、無視を決め込んで来た者が居たそうな。」

真田幸隆「どこでありますか?」

私(村上義清)「越前(の朝倉義景)だ。これは京に入ってから聞かされた事なのであるが、今回の上洛に召集された者は皆。兵を率いての上洛であった。」

真田幸隆「と言う事は……。」

私(村上義清)「そう。今回、信長が標的に定めているのは恐らく越前の朝倉義景である。それ故、家康は今。信長と共に若狭へ向かっている所である。」

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