表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
元亀争乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

389/653

追加条項

 翌年。


真田幸隆「殿!如何なされました?」

私(村上義清)「信長から急な呼び出しがあってな……。」

真田幸隆「とうとうあの事が露見してしまいましたか?」

私(村上義清)「ん!?何のことだ?」

真田幸隆「いえ。何もありませぬ。」

私(村上義清)「そう言う事では無いし、身に覚えは……。」

真田幸隆「天竜川の件がありますよね。」

私(村上義清)「(不安にさせないでくれる……。)」

真田幸隆「信長と言えば殿。」

私(村上義清)「どうした?」

真田幸隆「将軍様と信長が和睦したそうでありますね。」

私(村上義清)「天皇の手前。形式上ではあるけどな。」

真田幸隆「将軍様が頭を下げた?」

私(村上義清)「条文をまだ読んでいないな。」


 真田幸隆に春日虎綱からの文を渡す村上義清。そこに記された内容は……。


真田幸隆「10対0でありますね。」

私(村上義清)「だろ。」


 殿中掟追加条項

1、将軍が大名に書状を出す場合は、必ず信長の副状を添える事。

2、将軍がこれまでに出した命令は全て無効とする事。

3、たとえ将軍に対し貢献したとしても将軍にその原資となる物が無いのであるから、恩賞は全て信長の領地から供出する事。

4、天下の全ては信長に任せたのであるから、信長は将軍に相談する必要は無い。信長の裁量で成敗して構わない事。

5、天下の安定と天皇家への奉仕は将軍の責務である事。もしそれらを怠った場合、信長は将軍に対し失格の烙印を押すと同時に成敗する事。


以上の5点について足利義昭と織田信長は同意します。

 

真田幸隆「将軍様は、よくこれに同意しましたね。」

私(村上義清)「せざるを得なかったと言うのが実情だと思うけどな。それにあと……。」


 織田信長。管領代に就任。


私(村上義清)「足利義昭の家臣に対しても影響力を行使する事を鮮明にしておる。」

真田幸隆「信長の言葉は将軍様の言葉であるが、将軍様の言葉は必ずしも将軍様の言葉とは限らない。そうなりますと自動的に彼らが足を運ぶ事になるのは信長の方となるのは必定。」

私(村上義清)「もし将軍が信長と袂を分かつ決断をしたとしても、将軍になるためには天皇の承認が必要となる上、天皇家の財布と安全保障を握っているのは織田信長。彼を脅かす事は天下を乱す事であり、天皇家を脅かす事にもなるため、信長から成敗される対象となる。将軍と言えども賊将であり、朝敵となる。そんな義昭を匿おうと思う勢力が居るのかどうか……。」

真田幸隆「『黙って印鑑押してろ。』と言う事ですな。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ