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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
元亀争乱

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殿中掟

私(村上義清)「では何が問題になるのだ?」

春日虎綱「将軍様が単独で裁定した事。その物であります。」

私(村上義清)「ん?ん!?ん!!」

春日虎綱「織田信長は将軍様を軍事面経済面において無くてはならない存在であります。彼無くして将軍様は自らの地位を維持する事は出来ません。それは紛れもない事実であり、将軍様もそれを自覚しています。

 しかし将軍様は将軍様であります。信長は信長でしかありません。たとえ信長が軍事的経済的に力を持っていたとしましても、信長ではどうする事も出来ない物があります。それは権威であります。

 現在、駿河の今川氏真は賊将の汚名を被せられ、我々や家康並びに義信や氏康から追討される立場にあります。ただそれを決める権限は信長にはありません。あくまで将軍様の力を借りなければ成立しなかった事であります。もし家康が将軍様の了承無しに氏真を攻めた場合、今苦境に立たされていたのは氏真では無く家康であります。たとえ信長の後ろ盾があったとしましても。

 幸いにしまして将軍様と信長の関係が瓦解しているわけではありません。依然京の秩序は保たれています。ただそれは将軍様に軍事的経済的に力が無いからであります。もし将軍様を支援する。信長と対抗する事が出来る。信長を脅かす事が出来る勢力が現れた場合、将軍様はどのような動きを見せるようになるのか?それを信長は危惧しています。そのためにも信長は、将軍様が将軍様の仕事を。将軍様自らの手で行われる事を善しとは考えていません。そこで将軍様と信長の間で取り決められたのが『殿中掟』であります。

『全ての事柄について、信長を通してください。』

と言う物であります。」

私(村上義清)「それを将軍が無視していた事がバレてしまった?」

春日虎綱「そうなります。信長の家臣も京には居ますが、如何せん相手は将軍様でありますので、止めることなど出来ません。半年の間。積もりに積もった物が信長の上洛と共に、一気に噴出してしまったのでありましょう。

 しかし将軍様は将軍様であります。信長は信長でしかありません。通常でありましたら分をわきまえて我慢をするか、排除に乗り出すかの二者択一を迫られる事になりまして、結果。正しい正しくないは別にしまして、将軍様で無い側が没落していく事が繰り返されて来ました。それを防ぐため、信長が将軍様との間で定めたのが『殿中掟』であります。」

真田幸隆「取り決めに違反している事であれば、信長が将軍様を叱責しても問題は無い。考えましたね。」

私(村上義清)「……そうだな……。」

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