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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
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鎮圧

 徳川家康。堀川城を攻略。


私(村上義清)「あっさりしてない?」

春日虎綱「いくさ自体はそんなところかと思われます。簡単に経過を追っていきますと、家康は大潮を待ちまして、城の周囲が陸続きになった時を見計らい攻略に乗り出しました。兵の数は3000であります。」

私(村上義清)「籠城している相手を突破するには少ないように思うのだが?」


 籠城している相手を倒すには、通常3倍の兵が必要と言われています。堀川城に籠っていたのは2000人。


私(村上義清)「内通していた者がいたのか?」

春日虎綱「いえ。それはありません。」

私(村上義清)「船を使わずに攻撃した事に驚いた?」

春日虎綱「それはあると思います。ただ幾ら大潮とは言え地面は泥地であります。水がある時以上に行軍は困難を極める事になります。」

私(村上義清)「狙い撃ちされる危険性もあるし、たとえ城に辿り着く事が出来たとしても水浸し。泥塗れではいくさどころでは無いからな。」


 参考:沖田畷の戦いにおける龍造寺軍。


私(村上義清)「家康は、何事も無く泥地を進む事が出来る工夫をしたと言う事か?」

春日虎綱「はい。藁を敷き詰めながら兵を進めたとの事であります。」

私(村上義清)「それだったら進めない事も無いか……。しかし道を作りながらとなると時間が掛かるであろう。それに敷き詰めている時、無防備になりはしないか。兵は道が無ければ進む事が出来ないのであるから。」

春日虎綱「その準備も兼ねて家康は岡崎に戻ったのでありましょう。あと堀川城に2000人居ましたが、大半は気賀の町の民であり、耕作従事者であります。その中には女性に子供。齢を重ねられたかたもいます。皆が皆。いくさが出来る者ではありません。いくさのために籠った者の方が少数派。避難のために籠った者の方が多数を占めていると思われます。

 そこへ来るはずも無い陸路を使い、泥に塗れる事も無く。専業の武士2000が着実に歩を進めて来ましたら……城内はどうなるでしょうか?」

私(村上義清)「最も安全な場所だから。で入った場所だからな……。」

春日虎綱「進軍は急ぐ必要は無いと思います。むしろゆっくりの方が。鬨の声を上げず。着実に迫って来る方が、相手に与える恐怖は大きくなるかと思われます。」

私(村上義清)「敢えて城から脱出する時間を作った?」

春日虎綱「陸続きでありますが、仮の物でしかありません。城に地の利がある事に変わりはありません。少しでも中に居る者を少なくする事。より混乱を大きくする事により、味方の被害を小さくするのが目的の1つであったと思われます。」

私(村上義清)「城はあっさりと……。」

春日虎綱「はい。しかしこのいくさ。これで終わりではありません。」

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