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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
甲斐の虎

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挑発

武田晴信「誰だ!あやつは!?」

山本勘助「わかりませぬ。……ただどこかで見たことがあるような……。」


 武田晴信の陣に近づいてきたのは馬に乗った50名ほどの集団。


山本勘助「あの旗印……。」


 掲げられた旗には6つの銅銭が……。


山本勘助「あれは……真田の旗印。」


 砥石城に向け出陣の準備をしていた板垣信方にその一報が入る。


板垣信方「あんの野郎!!折角こっちが目を掛けてやったのにもかかわらず。勝手に出て行ったかと思っていたら……。許せん!!!殿は何処におる!!!!」

武田晴信「どうした板垣。」

板垣信方「昨日の軍議で私が砥石城の先陣を切ることになりましたが、申し訳ない。先にやらねばならぬことが出来申した。」

武田晴信「真田の事か?」

板垣信方「左様。海野平のあと、上野に身を寄せ不遇をかこっていた奴を不憫に思い取り立てたのでありましたが、ある日。何の沙汰も無しに去って行ってしまいました。」

武田晴信「それは存じておる。」

板垣信方「その奴が……よりによって……村上なんかの家臣になっていたとは……。これは奴を採用した私の責任であり、奴を村上なんかに移らせてしまった私の監督責任であります。このままでは家中に示しがつきませぬ。先にあの小城共々奴を血祭りにあげることをお許しくださいませ。」

武田晴信「どう思う。勘助。」

山本勘助「板垣様のお気持ち御尤もであります。何より怒りに任せて行動をせず。先に殿に願い出たことに御礼申し上げます。正直私も迷っておりました。先にどちらを攻めるのが良いものか……。持久戦に持ち込み徐々に国力を削っていくことも念頭に置いておりました。おりましたが、板垣様のお言葉を聞き迷いが消え申した。先に尼ヶ淵を攻め取りましょう。」

武田晴信「これでよいか?板垣。」

板垣信方「有難き幸せ。必ずやあの表裏者の首を持って参ります。」


 武田晴信は標的を尼ヶ淵に定め、物見に来た真田幸隆を追い掛けるのでありました。その頃……。


「武田はどうやら尼ヶ淵へ兵を進めた模様であります。」


 上田一帯を一望することの出来る砥石城で武田の動きを確認した村上義清。


私(村上義清)「そうか。」


 私の前の村上義清がいくさ上手だったこともあり、城に避難して来たものも含め皆安心しきっている様子……。


私(村上義清)「(……いや。俺いくさしたことないんだ……。)」


 頼みの綱とも言える幸隆が尼ヶ淵に行ってしまったこともあり、


私(村上義清)「(……もしこっちに攻めて来たらどうしよう……。そのことを幸隆に聞いたら『大丈夫です。武田は必ず尼ヶ淵に兵を向けます。』の一言……。「もし仮に。」と聞き返しても『それよりもこのあとの段取り忘れていませんよね。』と駄目出しされる始末……。武田が本当に尼ヶ淵に向かったのであるのだから)……幸隆の言うことを信用するか……。」

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