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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
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上野からよりも

 武田北条による沼田攻略は何としても避けなければならないと考える真田幸隆。彼が用意している考え。それは……。


真田幸隆「(真田幸隆管轄の)尼ヶ淵から鳥居峠を経て上野に通じる道があります。その道を更に東に進みますと沼田に到達することが出来ます。」


 今の国道144号線と145号線。


真田幸隆「この内、西半分につきましては上野に位置して居ますが、沼田や厩橋などよりもこちら(尼ヶ淵)との繋がりが深い地域であります。理由は途中の吾妻渓谷が険しく、舟を使う事が出来ない事。陸路につきましてもかなりの遠回りを強いられるためであります。関東の経営が捗々しくない上杉にとって、不便な当地の扱いに困っているのでは無いか?と輝虎や沼田城代の河田(長親)に相談しましたところ

『正直管理する事が出来ていない。』

との回答を頂戴しています。加えて彼らにとって当地は、戦略上重要な場所ではありません。何故ならそこに辿り着く事が出来るのは(上杉と)同盟関係にある我らだけでありますので。そこで

『うちが管理しましょうか?』

と提案しましたところ

『是非。』

との事であります。岩村田の時のように収益の分配について尋ねましたところ

『必要無い。』

と。当地とうちは元々繋がりがありますし、同じ事は(鳥居峠を介し管轄に通じる)殿にも言える事かと思われます。」

私(村上義清)「……まぁそうだな。」

真田幸隆「沼田を守らなければならない状況下でありますので、少しでも沼田に近い場所を自由に使う事が出来るようにするためにも吾妻渓谷以西の地の確保を図りたいと考えていますが宜しいでしょうか?」

私(村上義清)「そうなると武田北条が沼田を狙った時、いくさに巻き込まれる事も意味しているんだよな。」

真田幸隆「いえ。そうはならないと思います。」

私(村上義清)「何故だ?」

真田幸隆「仮に武田や北条が沼田を抑えることになったとしましても吾妻渓谷がある以上、こちらに攻め込んで来ることはありません。迂回路はありますが、大軍を率いるには不向きであります。我らが渓谷の東に進出しなければ、いくさになる事はありません。沼田に通じる道に我らが居ると言う事を示すことが今回の目的であります。ただいよいよとなった場合は、沼田寄りに拠点を設ける必要が生じるかもしれませんが、流石にそこまでの進出を輝虎が認めるとは思いませんし、沼田がいくさ場になるような事態に陥りましたら、こちらの戦略も変更を図る必要に迫られる事になります。」

私(村上義清)「見限ると言う事か?」

真田幸隆「いえ。東側の安全確保するため、箕輪衆の調略を本格化させるだけであります。」

私(村上義清)「武田北条がもし渓谷の西に進出して来たらどうする?」

真田幸隆「それは無いでしょう。」

私(村上義清)「何でそう言い切る事が出来るのだ?」

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