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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
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その頃信長は

 その頃村上領内で異変発生……。


春日虎綱「申し上げます。」

私(村上義清)「そんな深刻な顔をするな。川が氾濫したことは木曾(義康)から既に聞いておる。お前のところが下流に位置しているのだから被害に遭ったことは仕方がない。」

春日虎綱「早くに連絡が入りましたので、幸い大きな損失は発生しませんでした。木曾様に感謝しています。」

私(村上義清)「それは良かった。ならば尚更そなたの様子が不自然に思うのだが如何した?」

春日虎綱「はい。信長軍が河野島で取り残されてしまっています。」


 河野島があるのは岐阜県羽島郡川島町。今は合併し岐阜県各務原市の一部となっている当地は、町全域が川に囲まれていたため洪水が頻発した地域。


私(村上義清)「信長にも報せるべきだったかな……。」


 木曾川上流部の大水が下流地域に到達するのに24時間掛かると言われています。

  

春日虎綱「しかし(足利義秋の居る)矢島から三好勢と交戦した一報が齎されている以上。無理をしてでも兵を進めた事でしょう。」

私(村上義清)「でもあいつ(織田信長)は津島の出だろ。川に対する知恵は当然持っておろう。」

春日虎綱「どうですかね。自分が後ろ盾にならざるを得ないような人のために、遠くまで兵を動かすような方ですから……。」

私(村上義清)「で。信長も取り残されているの?」

春日虎綱「いえ。既に小牧山に戻ったそうであります。」

私(村上義清)「……あいつらしいな。」

春日虎綱「そうですね。危機察知の才がずば抜けているのは確かであります。ただ問題なのは、彼の動きと同じ速度で兵は動くことが出来ない。と言う事を理解していない事であります。」

私(村上義清)「今、河野島に取り残されている連中って、信長の精鋭部隊だよな?」

春日虎綱「そうですね。義秋様の仲介により近江までの安全は確保されてはおりますが、停戦中の斎藤領内を。それも稲葉山のすぐそばを通るのでありますからね。」

私(村上義清)「挑発しようとしていたのかな?」

春日虎綱「選択肢の1つとして考えてのいたかもしれません。ただ今となってはわかりませんが。」

私(村上義清)「大将が諦めて帰ってしまったからな……。しかし取り残された連中はどうするんだ?」

春日虎綱「うちと戦った時と同じでしょう。」

私(村上義清)「自分で何とかしろってこと?」

春日虎綱「はい。幸い大水に取り囲まれていますので、龍興も迂闊に手を出すことは出来ませんので討ち死にの危険は少ないかと思われます。」

私(村上義清)「でも別の危機が迫っているであろう。」

春日虎綱「(少し上流部の)うちの状況を見る限り、これ以上被害が拡大することは無いと思われます。龍興が色気を出さないぐらいの、自分が渡ることが出来る水量を見定めまして。」

私(村上義清)「あとは自力で戻って来い。と言う事になるのか……。」

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