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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
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政変

私(村上義清)「輝虎からの手紙の内容はその京のことなんだよ。」

真田幸隆「どのような内容でありますか?」

私(村上義清)「(上杉輝虎からの書状を渡しながら)将軍が暗殺された。実行したのは三好の三人衆に松永久通だ。」

真田幸隆「えっ!?将軍様と三好は和睦したハズでは?」

私(村上義清)「表向きわな。ただ三好からすれば、勝手に将軍の仕事をする義輝の動きを良くは思っていなかったようである。加えて輝虎始め、義輝を支持するものが全国各地に増えて来ることを脅威に感じていたそうである。そこへ来て当主の三好長慶の兄弟や嫡男が相次いでこの世を去り、そして長慶も鬼籍に入ってしまった。幸い三好の家督継承は順調に進み、三好三人衆と松永久秀久通親子が補佐する体制を整えることが出来たのではあるが如何せん義輝に比べ名前負けしてしまうところがある。これを見た義輝が更なる権力強化に乗り出すのは自明の理。京の二条に御所の建築に乗り出したそうな。」

真田幸隆「その動きを三好や松永は……。」

私(村上義清)「当然面白くは無い。故に彼らは自分の意のままに動く将軍の擁立に乗り出すことになった。」


 三好三人衆が担ごうとしたのは阿波に居る11代将軍足利義澄の子義維の嫡男。


私(村上義清)「しかしその要請は朝廷に却下されてしまった。義輝は義輝で頼みにしていた近江の六角氏が内部対立で身動きを取ることが出来なかった。それもあってか大きな騒動にはならず、京の町は平穏な空気が流れていたそうな。表向き。」

真田幸隆「その間、三好と松永は着々と準備を進めていた?」

私(村上義清)「清水寺詣でと称し、京に兵を容れた三好松永は突如完成間近の二条の御所を襲撃したそうな。多勢に無勢。義輝は愛蔵の刀の全てを使い果たし、その時を迎えたとのことである。二条の御所に残った者も後を追い、御所は業火に包まれたと……。」

真田幸隆「(輝虎からの書状を読みながら)怒りをそのままぶつけたかのような文でありますね。『三好、松永の首を悉く刎ねるべし』でありますか……。」

私(村上義輝)「怒っているのは輝虎だけでは無いぞ。」


 河内畠山氏に越前の朝倉氏。朝廷に天皇。更には京の一般庶民に至るまで将軍足利義輝の死を悼むと同時に、将軍を亡き者にした三好松永への怒りをあらわにしたのでありました。そんな中……。


真田幸隆「殿は冷静ですね。」

私(村上義清)「権力ってそう言うものだからな……。あとは皆怒っているけど、実際行動に移す。三好松永を討ち果たす動きを見せる奴は誰一人として居ないんだろうな……。結局は勝った奴が上に立つことになる。三好松永に勝てる奴が現れない限り、今怒っている連中は三好松永に従うことになるんだろうな……。」

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