表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
戦線拡大

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

306/653

占拠

 牛久保を巡る争いが膠着状態に陥った松平家康に、家臣からの外征を求める要望への対処を模索する飯富虎昌。三河における松平家康への対応に奔走する今川家臣で掛川城主の朝比奈泰朝に、天竜川水系及び天竜川以西の制御に四苦八苦する今川氏真。その遠江が隙だらけなのはわかっているけれども手を出すには場所が悪過ぎる村上義清と、いつ弾けてもおかしくない均衡が保たれている東海道情勢。そんな中、関東と美濃で動きが……。


真田幸隆「北条氏康が岩付城を手に入れました。」

私(村上義清)「城攻めをしていた形跡は無いと聞いていたが如何した?」

真田幸隆「はい。どうやら(岩付城城主の)太田資正が城から追い出された模様であります。」


 太田資正は房総半島に勢力を誇る里見義堯と手を結び下総の国府台で北条氏康と戦うも敗れ岩付城に帰還。その後、再び北条と戦うべく里見義堯のもとを訪れていたところに事件が発生。実の子である太田氏資が岩付城を占拠すると共に上杉方のものを幽閉ないし追放。北条方へ転身したのでありました。因みに太田氏資の妻は北条氏康の娘。


私(村上義清)「となると武蔵はほぼ全てが北条方になったと言うことか?」

真田幸隆「御意。」

私(村上義清)「ところで太田資正の消息はわかるか?」

真田幸隆「はい。娘婿の成田氏長のもとに身を寄せ、上野の横瀬成繁を通じ厩橋の北条高広並びに越後の輝虎に支援を要請している模様であります。」

私(村上義清)「輝虎はどうしている?」

真田幸隆「越後に居ます。」

私(村上義清)「上野に入る様子は見られるか?」

真田幸隆「そのことなのでありますが……。」

私(村上義清)「何だ?申してみよ。」

真田幸隆「会津の蘆名盛氏が越後に乱入していまして、その対応に追われております。」

私(村上義清)「情勢は?」

真田幸隆「上杉方優位に進んでいます。しかし本国越後がこのような状況でありますので、輝虎自らが兵を率い上野に入ることは難しいと思われます。」

私(村上義清)「既に相手方となった。それも川向こうの武蔵にある城をとなると、北条高広の力だけでは……。」

真田幸隆「ゴリゴリの上杉方でありました資正の。実の息子が北条方に転進したとなりますと、北条の手が相当のところまで回っている恐れがあります。もしかしますと今資正が居る成田氏長のところにも……。」

私(村上義清)「国を越えて横瀬のところにも及んでいるかもしれない。」

真田幸隆「迂闊に動くことは出来ません。」

私(村上義清)「しかし何故蘆名が越後に兵を出したのだ?交易で問題でも生じたのか?」

真田幸隆「そのことでありますが……。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ