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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
南進

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儲けていると

私(村上義清)「人望無いからな……。」

真田幸隆「まぁまぁ。しかし1つの場所に富が集中しますと売り上げの落ちたところから反感を買うことになりますし、その富を奪い取ろうと考える輩で出て来ることになるでしょう。」

私(村上義清)「しかも堅田のすぐ西にそびえているのが……。」


 比叡山。


真田幸隆「そうなりますと折角軌道に乗り始めた堅田もまた。」

私(村上義清)「焼き討ちされてしまった。と……。流石の蓮如もここでは商売をすることは出来ない。ただこの仕組みは活かすことが出来る。あとは比叡山の邪魔が入らない場所で、まだ誰も手を付けていない未開の地を見つけることが出来れば何とかなるかもしれない。と考えたそうな。そこで目を付けたのが越前の吉崎だったそうな。」


 吉崎は西を北潟湖。北は大聖寺川に囲まれ、すぐ側には海がある交通の要衝になる可能性を秘めた場所。しかし当時は誰からも見向きをされることの無かった貧しい村。その理由は……。


真田幸隆「すぐ目の前が加賀になりますね。」


 今も昔も境目の地の開発は後回しとなってしまうもの。ましてや当時は基本自力救済が原則。対外勢力のすぐ目の前に経済の拠点を設定するのは無謀と言うもの。


私(村上義清)「越前も加賀も手を付けることが出来なかった場所に『ここで商売を始めるぞ!』と信徒に向け発信する蓮如。『ならば応えねば。』と各地の門徒が寺の再興に向け物資を寄贈するところから始まり、出来た寺で行われる施策が堅田の時と同じとなれば、商売のやりやすさを求めて商人が集まって来ることになる。彼らが信仰するのは一向宗。吉崎は大聖寺川の河口に位置していたため加賀南部の物資の集積地になるのは勿論のこと。加賀、能登に越中。更には越後以北から京とを結ぶ中継地としても栄えることになる。その理由の1つに終着地となる堅田には、多くの門徒が居ることが関係しているのは言うまでもない。門徒になれば、商売がやりやすくなる。それがわかると越前を始め加賀に能登。越中越後に一向宗を信仰する者が増えることになるのはある意味自然な流れ。商売が軌道に乗り、潤う信徒が増えれば増えるほど、蓮如へ寄付する額も増えて来るのもまた自然な流れ。流石の比叡山も越前最北の地にまで兵を動かすことは出来ない。ただそのままだと地元の有力者の邪魔が入る危険性があるため、豊富な資金力を使い彼らを取り込むと同時に、自らの軍事力の強化に乗り出すことになる。その担い手となるのが、一向宗を信望するものたち。忠誠心に疑いの余地なし。……俺には無理だな。」

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