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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
南進

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100分の

私(村上義清)「人質だろ。」

真田幸隆「まぁそれも全くないわけではありません。」

私(村上義清)「『100分の』で言ったらどれくらいだ?」

真田幸隆「『2分の』にしてしていただけましたらお答えすることが出来まするが。」

私(村上義清)「1は確か何だな?」

真田幸隆「いえ。それよりは大きくなるかと思われます。」

私(村上義清)「なら100でも答えることが出来るだろうに。」

真田幸隆「そうですね……。99ぐらいになりますでしょうか。」

私(村上義清)「(ほぼ100じゃねえかよ……。)わかった。で、誰の人質としてここに軟禁されたんだ。俺は?」

真田幸隆「此度の接収にあたり、不測の事態が発生した時に備えてのことであります。」

私(村上義清)「それって虎綱が奥三河の衆と結んだ約束をお前が破った時に発令されるってことだろ?」

真田幸隆「そう捉えることも出来るかと思われます。」

私(村上義清)「もしそうなった時、どうするつもりだったのだ?」

真田幸隆「我らにとってここは見知らぬ土地であります故。」

私(村上義清)「自力で何とかしろってことか?」

真田幸隆「御意。」

私(村上義清)「じゃあ2分にしろ100分にせよ1の役割は何だったのだ?」

真田幸隆「(奥三河救援に向かう今川の兵が侵入して来る)遠江からの備えであります。」

私(村上義清)「ならもっと兵を付けてくれよ。」

真田幸隆「殿はあくまで奥三河の衆の人質でありますので。」

私(村上義清)「崖を枕に討ち死にしろってことだったのか?」

真田幸隆「そうはならないよう。抑止に繋がるだけの数を用意しましたし、何より保科も居ますので。」

私(村上義清)「そこに遠江からの兵も加わり挟み撃ちに遭ったら……。」

真田幸隆「それにつきましては遠江の国衆を攪乱させておきましたので。そこからこっちに兵を出すことは出来なかったかと。」


 長篠の東。遠江の井伊谷を束ねていた井伊直親に謀反の噂が立ち、その弁明のため直親が駿府に向かう途中、殺害される事件が発生。


真田幸隆「加えて殿に多くの兵を預けてしまいますと……こちらの指示を無視して兵を繰り出すでしょう?」

私(村上義清)「(先代の村上義清はそうだったんだよな……)既に話が付いている奥三河を東から挟み撃ちにするようなことはせぬ。」

真田幸隆「ならどこに兵を進めますか?」

私(村上義清)「混乱している遠江は狙い目ではあるが、流石に指し過ぎだよな……。奥三河を落ち着けることが出来たとなれば……。」

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