表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
南進

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

238/653

敵中孤立

 真田幸隆が村上義清に対し待機するよう用意した場所。そこは……。


保科正俊「2つの川の合流地点に挟まれた断崖絶壁の上。北は何もありませぬがその道から我らが入りましたので、そこの防御を考える必要はありません。」

私(村上義清)「立地と補給に問題は無いと思っている。」

保科正俊「はい。この地が提供されたことからもわかりますように、ここの勢力は既に我が陣営に入ったことになります。」

私(村上義清)「そこまではいいんだよ。」

保科正俊「問題となりますのが川の向こう側であります。南に松平方の野田城があります。松平と我らの関係は白紙の状態。どうなるかわかりません。」

私(村上義清)「そうだな。」

保科正俊「ただ現状家康は、本拠地の岡崎のことで手一杯。野田城を支援することは出来ません。故に野田城から狙われる心配はありません。」


 松平家康は現在、一向宗相手に奮闘中。


保科正俊「問題になりますのが東と西であります。どちらも今川の勢力圏であります。」

私(村上義清)「厳密に言えばここもそうなんだけどな。」

保科正俊「一応川に守られてはおりますが……。」

私(村上義清)「挟み撃ちにされたら……。」

保科正俊「持つかどうか自信を持つことは出来ませぬ。」

私(村上義清)「そうだろ。」

保科正俊「よくそんなところに殿独りを放り込もうとしましたね幸隆様は。」

私(村上義清)「だからついて来てくれたことに感謝しているんだよ。本当(保科の本来の役目)は留守居役だったんだからさ。」

保科正俊「まぁ攻め込まれるような場所ではありませんので。」

私(村上義清)「助かります。それで聞いたんだよ。虎綱に。そうしたらこう言って来たんだよ。」

保科正俊「どのようなことを?」

私(村上義清)「『周辺勢力には全て話を付けています。』と……。」

保科正俊「足助もですか?」

私(村上義清)「いや。足助は違う。あそこは独立を目指しているそうな。」

保科正俊「見せしめのために。」

私(村上義清)「その辺りはあいつらに任せている。出来れば今ある町をそのまま使いたいと伝えている。」

保科正俊「ここも人と物の要地になりそうな場所ではありますね。」

私(村上義清)「川を下れば一気に海に出ることが出来るからな。ただ今は難しいけどな。」

保科正俊「そうですね。」


 下流域は松平と今川が係争中。


保科正俊「そこに我らが割って入ろうとしているのでありますから。」

私(村上義清)「当面使うことは出来ないだろうな……。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ