表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
南進

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

228/653

空白地帯

 自らの基盤強化を目指し矢作川の一向宗と川向うの吉良氏攻略を目論む松平家康に、その家康と牛久保を巡る攻防戦を繰り広げている今川氏真。三河の平野部で激しい争奪戦が繰り広げられる中……。


私(村上義清)「奥三河どうしようか?」


 今川、松平が三河平野部で相争う中、双方共目の届かない状況となっている奥三河と、その奥三河と境を為す村上義清と南信濃を管轄する春日虎綱。今は今川の勢力圏でありますが、義元在世期間中には美濃の遠山氏や西三河の吉良氏と手を結び今川義元に反旗を翻したこともある奥三河の国人勢力。


春日虎綱「三河の混乱はどちらかが勝つにせよ、和睦するにせよ、いづれ収束を迎えることになります。その時三河は強固な勢力が治めることになります。これは松平になるのか。今川になるのか。はたまた織田が進出して来ることになるのかわかりませんが。」

私(村上義清)「そうなる前に楔を打ち込んでおきたい?」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「可能か?」

春日虎綱「直接支配は難しいと思います。信濃同様奥三河も山岳地帯であります。現地のものの協力無しには治めることは出来ません。」

私(村上義清)「彼らの権益を認めつつ、今川よりもうちについたほうが得であり、かつ安全が保障されていることが条件になる?」

春日虎綱「はい。権益面につきましては、仁科や木曾における実績を引き合い出しながら下交渉を行いまして、口約束ではありますが折り合いはついています。勿論彼らがそれを材料に氏真や家康と交渉する可能性はありますが、そうなっても良いよう。遊びを設けています。」

私(村上義清)「安全保障については?」

春日虎綱「玉薬ありますよね?」

私(村上義清)「(上杉)輝虎が気前よく売ってくれるので助かっている。」

春日虎綱「玉薬に問題が無いのでありましたら、こちらの被害を少なくすることが出来るでしょう。」

私(村上義清)「『現地のものの協力無しには』と言ってなかったか?」

春日虎綱「今川から引き離すためには、うちが今川よりも強いことを示さなければならないでしょう。」

私(村上義清)「仮に今川と手を結んで来たらどうする?」

春日虎綱「うちの爆弾小僧(四郎)を作動させるだけのことであります。」

私(村上義清)「あいつ下手すると根絶やしにしてしまうだけの力があるけど大丈夫か?」

春日虎綱「そこは山岳地帯の奥三河でありますので。」

私(村上義清)「(集落の1つを見せしめに使うつもりだぞ……。)」

春日虎綱「勿論そうならないようにするのも私の仕事であります。ただそれを実行に移すとなりますと……。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ