表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
南進

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

223/653

無くなって初めて

私(村上義清)「親の急死により10歳で家督を継ぐことになり、親戚から追い掛け回され。父と対立していた奴に下げたくもない頭を下げて本拠地に戻るも、富の源泉は紛争地帯。身近にお金が集まっているところがあるけれども当然相手も武装をしている上、そこを束ねている長が自分の筆頭家老。家臣もそことの繋がりが強い……。」

春日虎綱「一応『現世は今居るところに従え。』の教えではありますが。」

私(村上義清)「それだけではないだろう?」

春日虎綱「はい。妻の実家が敵方になり離縁。人質に出した息子が途中拉致されて敵方に売り払われた挙句、自らは20代半ばで病を患い他界。」

私(村上義清)「(松平)広忠に生まれてなくて本当に良かったよ……。」

春日虎綱「松平広忠が亡くなった後、岡崎城。更には安祥の地は今川に接収されることになります。」

私(村上義清)「一向宗のほうはどうなったんだ?」

春日虎綱「今川自体。お金に困っているわけではありませんので、味方になってくれるのであれば権益はそのまま認める方針を採っていました。ただ石川につきましては松平の筆頭家老でありましたので、ほかの家臣同様今川の先手として常に危険な場所でのいくさを強いられることになっていました。」

私(村上義清)「それが義元が討ち死にするまでの10数年続くことになった?」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「そんな彼らの拠り所となったのは信仰……。」

春日虎綱「勿論それもあると思われますが、それ以上に強かったのが駿府に居る今の家康の存在であります。」

私(村上義清)「もし彼が居なかったら?」

春日虎綱「各自伝手を頼って仕官することになっていたことでしょう。。」

私(村上義清)「そうなるよな。その時彼らが信仰していた一向宗は?」

春日虎綱「義元が彼らの権益を認めていますので。」

私(村上義清)「何もしなかった?」

春日虎綱「まぁ今川の手が入らない場所でありますので、松平の家臣が表立って出来ないことをそこでしていたかもしれません。目的は全ては今の家康が帰還した時、困らないようにするため。」

私(村上義清)「それを家康は知っていた?」

春日虎綱「そうで無ければ義元討ち死に直後の。境を為す織田といくさをした直後の岡崎に留まり、つい今しがたまで所属していた今川の権益の簒奪に動くことなど出来ないでしょう。」

私(村上義清)「そうだな。織田が松平と手を組みに行ったことが奇跡だからな……。」

春日虎綱「しかしお金は使えば無くなります。豊かな尾張を持つ織田信長と同盟を結んでいますが、いつまでも頼るわけにはいきません。自前で富を確保しなければならない状況に今の家康はあります。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ