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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
甲斐の虎

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どこから来たのだろう……

 この時代。流民となる理由が幾つかありまして代表的なものは次の2つ。

 1つは「逃散」。これは村の住民が集団で別の場所へ逃げ込むことにより、田畑の担い手が居なくなり困った領主に対し税の減免や代官の罷免を求めたりするもの。このような事態にならないようにコントロールするのが領主の役割となっています。これにつきましては、今いる土地に戻ることを前提にしていますので今、村上領内で起こっている流民とは異なる事象であります。

 もう1つが「逃亡」ないし「欠落」。こちらは税の支払いが出来なくなりましたり、法に触れる行為を働くなどして無断で行方をくらますことであります。これについては領内で協定を結んでいますので見つけ次第元の場所に引き渡すことにしています。こちらにつきましても今回の件は、村上領の外からの流民でありますので対象にはなりません。


 「税金が安いから。」

と思われるかもしれませんが、21世紀の世界で見られます

「本社の所在地や自分の生活拠点を税の安いところに移すことにより、少しでも手元にお金を残そうとする。」

そのような資産家の皆様が来ていただけるのでありましたら嬉しい限りでありますが。……それでもないようであります。着の身着のまま。資産も無ければ収入の源となるものも持ち合わせていない。税の安さの恩恵に与ることはまず出来ないであろうかたがたが。それも結構な人数……。このまま放置しておきますと用心が悪くなります。彼らも生きていかなければなりませんので。かと言って、ただ生活物資を支援しただけでは今居る領民も流れ込んで来たものも幸せになることは出来ません。某か仕事を与えなければなりません。それも今居る領民の利益を阻害することなく、かつ流れ込んで来たものも生活することが出来るようになるものを。いくさの要員として働いて頂くことにはなるのでありますが、捨て石とするにはしのびない。それにいくさだけですと普段はただの消費者になってしまいます。生産者。自らの手で収入を得ることが出来るようになっていただきたい。

「千曲川沿いの、まだ未開の地の開墾」

と言う仕事がありますが、如何せんあの全く制御することの出来ていない千曲川の危険地帯に彼らを放り込むのは申し訳ない。それもお願いはしつつ、生活の糧となる安定した仕事も提供しなければなりません。……となりますと、持って行ったら持って行っただけ売上になる。それも値崩れの心配の無い特産の麻織物の仕事が出来るような環境を作るのが1つ。そしてこちらも人が多くても困らない水運荷役の仕事をお願いしましょうか……。


 ……にしてもあの流民。どこからやって来たんだ……。

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