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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
越後の龍

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大雪

 関東情勢に話を戻します。


私(村上義清)「越中の処理を終えたのは良いのだけど……。」

真田幸隆「何か気になることでも?」

私(村上義清)「今年、雪早いからな……。それにもう12月だろう?」


 上越国境は今も昔も豪雪地帯。


真田幸隆「そうですね。この時期に輝虎が兵を動かしたことはありませんね。」


 輝虎の関東出兵は、1552年は6月。1560年は9月。


私(村上義清)「去年は関白からの急な要請があっての出陣であったが、それでも11月だったからな……。」

真田幸隆「それを見越して、氏康は松山城を包囲したものと思われます。」

私(村上義清)「義信もそれを狙って神保を動かした?」

真田幸隆「それもありますが、それ以上に関白様が京へ戻られたことが影響していると思われます。」

私(村上義清)「そうだな。7月に(輝虎と神保が)和睦した直後の9月だったからな……。」

真田幸隆「流石の一向宗も支援が間に合わなかったでしょうし、長職も戦略を練る間も無かったと思われます。」

私(村上義清)「とりあえず動いてみたってこと?」

真田幸隆「どちらかと言いますと、輝虎が関東に入ることが出来ないよう、輝虎が越後に居る間。それも関東に兵を出す準備が整っていない状況のこの時期(9月)に義信が長職を動かしたと思われます。もし私が長職の立場でしたら……。」

私(村上義清)「輝虎が関東に入り、かつ上越国境が雪で閉ざされてから兵を動かすことになるよな。」

真田幸隆「左様に御座います。」

私(村上義清)「しかしどうするかね?」

真田幸隆「何がですか?」

私(村上義清)「いや輝虎は関東に入るのだろうか?と……。」

真田幸隆「彼の性格が性格でありますから、無理してでも峠を越えるでしょう。」


 当時は鉄道も無ければ自動車も無い時代。移動手段は馬に跨るか徒歩。


私(村上義清)「あれだけ雪が降る地域だから、冬のこの時期に越後を攻められる心配が無いとは言えさ。道中で遭難する危険もあるわけであるし、『越後が雪に閉ざされる』と言うことは越後から関東に補給することが出来なくなるわけだからな。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「上野は一応上杉の勢力圏であるとは言え、武田と北条に狙われている場所。」

真田幸隆「その武田北条に接する(かつて山内上杉憲政が頼みにしていた)長野家も盤石ではありません。豊かな上野ではありますが、輝虎の大兵を留まらせるには心許ないところはございます。」

私(村上義清)「下手すると兵糧攻めに遭う危険性も伴っているのか……。」

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