表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
越後の龍

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

202/653

矢面

真田幸隆「大丈夫です。殿には上杉輝虎を経由する形で関白様が裏に付いていますから。」

私(村上義清)「三条家と近衛家の代理戦争に巻き込まれる覚えは無いぞ。それに奴(近衛前久)はもう(輝虎に黙って京に)帰っただろう。」

真田幸隆「加えて義信の母の姉は細川家の正室であります。」

私(村上義清)「武田といくさをすることは将軍と事を構えることにもなる。と言う事か……。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「(もういいです。)しかしさ……。」

真田幸隆「何でしょうか?」

私(村上義清)「一向宗が矢面に立って輝虎と喧嘩するのかな?」

真田幸隆「神保長職を支援し続けましたこれまでの経緯から見ますとそれは無いと思います。」

私(村上義清)「武田の外交力を以てしても難しい?」

真田幸隆「彼ら(一向宗)にとって大事なのはあくまで庄川から西の利権であります。そこを輝虎に踏み込ませるような危険は冒さないと思います。可能性があるとするならば義信が越中に兵を出した時になるかと……。」

私(村上義清)「あり得ないことだな。」

真田幸隆「はい。その代案としましてこれまでは(一向宗と境を為す)長職を使っていました。」

私(村上義清)「今後、その方法を使うことは出来なくなってしまった。」

真田幸隆「はい。新たな有力者を探す必要があります。」

私(村上義清)「そんな奴居ないだろ?」

真田幸隆「今は居ません。」

私(村上義清)「何か含みを持たしているな?」

真田幸隆「少し時間を下さい。」

私(村上義清)「ん!?何か仕掛けようとでもしているのか?」

真田幸隆「武田の考えを弄ろうと思います。」

私(村上義清)「うちが危なくなるようなことだけはするなよ。」

真田幸隆「どうでしょうかね……。」

私(村上義清)「おいおい大丈夫なのか?」

真田幸隆「あくまで越中のことですから。」

私(村上義清)「そこに輝虎が忙殺するように仕向けるのだろ?」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「そうなったら奴ら(武田と北条)が関東で動き出すだろ。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「状況によってはうちにいくさを仕掛けて来ることにもなる。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「良いのか?」

真田幸隆「構いません。」

私(村上義清)「仮にうちが義信と戦って勝つことが出来たとしよう。そこまではこっちの責任で何とかすることになる。だが関東はどうなる?輝虎が居なければ奴らを止めることは出来ないのだぞ。」

真田幸隆「殿が上野に入れば済む話であります。」

私(村上義清)「それは無理筋だろう。」

真田幸隆「でしょうね。」

私(村上義清)「何を企んでいる?」

真田幸隆「少し時間を下さい。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ