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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
越後の龍

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瓦解

 今川氏真が松平元康らによる三河の反乱の鎮圧に乗り出していた丁度その頃関東にも動きが……。


私(村上義清)「そうか。輝虎は唐沢山を落とすことが出来なかったのか……。」

真田幸隆「はい。」


 3月。昨年末落とすことが出来なかった下野唐沢山城を攻略すべく再度兵を出した上杉輝虎でありましたが城の堅牢さに手を焼き撤退。


私(村上義清)「(関東公方が居る)古河城との連絡はどうなっている?」

真田幸隆「輝虎が2月に舘林城を攻め落としていますので人と物資の行き来に問題は生じておりません。」

私(村上義清)「(唐沢山の)佐野のほうはどうだ?」

真田幸隆「あの城があって初めて輝虎の攻撃を防ぐことが出来ているのが実状であります故、彼(佐野昌綱)が外に兵を繰り出すことはあり得ません。」

私(村上義清)「氏康はどうしている?」

真田幸隆「唐沢山の後詰のために兵を動かしてはいますが、(関東に)輝虎が居ますので本気で戦おうとしているとは思えませぬ。」

私(村上義清)「とりあえず古河城は安泰。」

真田幸隆「……なら良いのでありますが……。」

私(村上義清)「何か起こっているのか?」

真田幸隆「公方(足利藤氏)様が騒いでいます。」

私(村上義清)「似たようなことが少し前にあったような気がするのだが。」

真田幸隆「はい。その時は『輝虎が戻ってくれば治まるから。』と関白様や憲政が説き伏せたのでありましたが、その輝虎が唐沢山を攻略することが出来ませんでしたので。」

私(村上義清)「『お前らが言っていた輝虎はいったいなんだ!あんな小城1つ落とすことが出来ないのか!!北条がこっちに向かっているのだぞ!!!もし私の身に何かあったらお前らはどう責任を取るつもりなのか!!!!』とでも(藤氏は)言っているのかな?」

真田幸隆「ほぼ間違いないかと思われます。」

私(村上義清)「で。輝虎はどうしようとしているのだ?」

真田幸隆「古河城に居る関白様と憲政を引き取るとのことであります。」

私(村上義清)「厩橋城にか?」

真田幸隆「一時的にはそうなりますが。」

私(村上義清)「違うのか?」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「どこへ引き取るのだ?」

真田幸隆「越後です。」

私(村上義清)「関東を棄てるのか?」

真田幸隆「関東を棄てることはありません。輝虎は残りますし、兵の駐屯も続けます。ただ公方様につきましては……。」

私(村上義清)「古河城に置いておく。」

真田幸隆「関白様の強い御意向が反映されての措置であります。」

私(村上義清)「それを聞いて藤氏は?」

真田幸隆「関白様との同道を拒絶されてしまった以上、(古河城に)残らざるを得ないでしょうね。」

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