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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
越後の龍

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元康の

 織田信長と同盟を結んだ松平元康。もはや関係の修復は不可能であることを悟った今川氏真は翌月。自ら兵を率い三河に入るのでありました。


私(村上義清)「1つ疑問があるのだけど?」

春日虎綱「何でしょうか?」

私(村上義清)「氏真と元康は去年から対立していたよね?」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「その元康にそそのかされて今川から離れた三河の国人がいたよね?」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「共に氏真を裏切った者同士だよね?」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「何で三河の国人の人質は処分されて、元康の家族は生き残ることが出来たのだろうか?普通だったら真っ先に粛清されるべき立場にあるのは駿河に残された元康の家族になると思うのだが。」

春日虎綱「確かにそうですね。1つ言えることがあるとしますと、元康の人質とも言えます元康の妻と子供たちが共に義元の父氏親の系譜に繋がっていることが処分されなかった要因と言えるかもしれません。その証拠に(遠江今川家出身の)元康の妻の父は腹を切らされましたので。」

私(村上義清)「元康と元康の妻の父は似たような立場にあった。」

春日虎綱「いづれ今川の血が入った元康の息子が、今川の一門衆として松平を継ぐことになる。元康はそれまでの繋ぎに過ぎなかったのかもしれません。」

私(村上義清)「元康はそれを受け入れていたわけでは無かった?」

春日虎綱「義元が存命で信長を圧倒していればその定めを受け入れたと思います。ただ今は状況が異なります。」

私(村上義清)「妻と子供たちがどうなろうと構わない?」

春日虎綱「勿論手元に戻したいと考えていると思われます。ただ元康からしますと、やりたくもない人質生活中に押し付けられた妻であり子供でありますので、最悪の事態となったとしましても仕方がないと思っているかもしれません。本人もまだ若いですからね。」 

私(村上義清)「新しい嫁さんを今度は自分の意思で見つければ良い?」

春日虎綱「後継者をつくることが最も重要な任務でありますので。ただ元康もわかっているのでしょう。自分が氏真と決別しても、氏真が妻や子供たちに危害を加えることが無いことを。」

私(村上義清)「でも駿河に戻ったほうが安定した生活を送ることが出来たように思うのだが。」

春日虎綱「確かに。肩身の狭い思いをすることさえ我慢することが出来ればそれでも良いのかもしれません。ただ元康の義理のお父さんの最期を見ますとね。」

私(村上義清)「命令1つで命を取られるぐらいならば勝負に出たほうが後悔しない。」

春日虎綱「危険過ぎる賭けではありますが。」

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