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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
越後の龍

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仲介人

 年が明けてから2週間。正月ボケを吹き飛ばす出来事が……。


春日虎綱「殿!松平元康が織田信長と同盟を結びました!!」

私(村上義清)「ん!織田と松平は長年敵対していたハズではないのか!?」


 織田と松平は信長の父信秀と元康の祖父清康以来、尾張と三河で対立。その後、元康の父広忠が今川に従属したことにより、戦線は拡大の一途を辿ったのでありました。


私(村上義清)「信長からすれば義元が亡くなったこの機会を逃さず三河に乱入すれば好き勝手に切り取ることが出来ると思うのだが。」

春日虎綱「そうですね。更に(織田との境に居る)岡崎の元康と氏真が内輪もめしていることを考えますと『なぜ?』でありますね。」

私(村上義清)「実質松平が織田の傘下に入る同盟か?」

春日虎綱「いえ。対等な同盟のようであります。」

私(村上義清)「力関係を考えるとよくわからないな……。少し調べて見てくれないか?」

春日虎綱「わかりました。」


 しばらくして。


春日虎綱「どうやら信長が水野信元に仲介を依頼したようであります。」


 水野信元は今の愛知県刈谷市に本拠地を置き、知多半島にも影響力を及ぼす織田方の勢力。


私(村上義清)「元康からすれば信長以上に水野との対立の根の方が深いような気もするのだが。」

春日虎綱「そうですね。水野家は元康の母の実家ではありますが、その水野家があろうことか織田方となってしまったことにより両親は離縁。その後、水野領は織田と今川の境目でありましたので、しょっちゅういくさの場となっていました。」

私(村上義清)「そんな状況でよく同盟を結ぶことが出来たな?」

春日虎綱「水野信元からすれば信長と元康の同盟が成立すれば、自動的に信元の領地の全てを安全地帯にすることが出来ます。元康は元康で氏真と袂を分かち東へと勢力の拡大を目論むにあたり、西の安全を確保しておく必要に迫られていました。」

私(村上義清)「信長はどう考えているのだ?」

春日虎綱「北を目指すそうです。」

私(村上義清)「美濃か!?」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「何のために?」

春日虎綱「そこまではわかりませぬ。ただ織田家も輝虎同様上京志向の強い家でありますので、その辺りも影響しているかもしれません。」


 織田信長の父信秀は御所の修理代として、朝廷に気前よく4000貫文を献上した人物。


春日虎綱「美濃も大国でありますので、腰を据えて取り組むためにも東側の安全を確保しておきたかったのでありましょう。」

私(村上義清)「しかしよくまとまったものだな。」

春日虎綱「信長がその気になればいつでも三河を併呑することが出来るからでありましょう。」

私(村上義清)「それって対等?」 

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