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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
越後の龍

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帰国

 上杉政虎。越後に帰国。


私(村上義清)「関白を古河城に置いて。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「大丈夫か。」

真田幸隆「上野を抑えることは出来ていますし、稲刈りの時期も近づいていますので。」

私(村上義清)「そういや田植えの時期。あいつ関東に居たからな。『いい加減労働力を返してくれ。』と。」

真田幸隆「それもありますが、別の目的があるようであります。」

私(村上義清)「関東の諸将の忠誠心を見定めようとでもしているのか。」

真田幸隆「もしそうでしたら関白様と憲政を越後に連れて行くでしょう。それに上野に必要な兵は残しています。」

私(村上義清)「では何のために。信濃口はうちだけだし、越中も治まっているであろう。」

真田幸隆「その越中が絡んでくるかと。」

私(村上義清)「どういうことだ。」

真田幸隆「政虎が関東に入った理由にも繋がることなのでありますが、政虎は3度目の上洛を考えているようであります。」

私(村上義清)「将軍を救うためか。」

真田幸隆「救うためでもありますが、今回の場合は少し意味合いが違うようでありまして。」

私(村上義清)「なんだ。申してみよ。」

真田幸隆「長年対立していました三好長慶の近辺が騒がしくなっていまして。」


 三好長慶の弟で讃岐国の勢力十河氏を継ぎ、和泉国でも活躍していた十河一存がわずか30歳で病死。


真田幸隆「その間隙を突きまして管領細川晴元の次男晴之を担ぎ出した六角畠山両氏により、長慶は南北から挟み撃ちにされる事態に陥っています。」

私(村上義清)「将軍はどうしている。」

真田幸隆「今は三好と和睦しています。」

私(村上義清)「と言うことは。」

真田幸隆「少なからず紛争に巻き込まれているかと。ただ将軍様は元々六角と誼を通じていましたし、三好としましても今は将軍様を味方につけておきたい情勢でありますので、将軍様が命の危険に晒されているわけではありません。」

私(村上義清)「しかし危ういな。」

真田幸隆「それもあってでしょう。氏真と元康の調停に乗り出したのも。」

私(村上義清)「『上洛して私を守れ。』と。」

真田幸隆「その話は当然政虎のところにも届いているかと思われます。」

私(村上義清)「それで政虎はいったん越後に戻った。」

真田幸隆「はい。それに今回はいくさが前提となりますので兵の数も大規模なものとなります。今までのように船だけでは到底追いつきません。陸路も使わなければなりません。」

私(村上義清)「そのためにも越中を自由に使えるようにする必要があると言うことか。」

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