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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
越後の龍

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就任式はすれど

 3月。長尾景虎は北条氏康の本拠地小田原城を包囲。


私(村上義清)「今川はどうしている。」

真田幸隆「氏真につきましては『それどころではない。』と思われます。」

私(村上義清)「仮にだけどさ。」

真田幸隆「なんでしょうか。」

私(村上義清)「義元が存命で。それも信長を破り熱田の港を手に入れていたら。」

真田幸隆「朝比奈や元康に兵を預け小田原に向かわせた。もしくは義元が盤石である。いつでも関東に兵を入れることが出来るとなりますと、流石の景虎も関東に入っていたかどうか定かではありません。」

私(村上義清)「では元康が岡崎に留まらず駿府に戻っていたら。」

真田幸隆「今の(今川領内の)混乱は無かったと思われます。国人に不満はあれど、単独で今川と戦うことは出来ませんので。領内が落ち着いた。関東に兵を出す余裕が出来たとなりますと、やはり元康が選抜されることになったかと。」

私(村上義清)「岡崎の衆を連れてか。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「そりゃ岡崎に残るわな。」

真田幸隆「えぇ。」

私(村上義清)「織田はどうする。」

真田幸隆「信長とのいくさに実績のある朝比奈や鵜殿。それに岡部と言った辺りが対応することになったと思われます。」

私(村上義清)「今川からの援軍が来た場合氏康は。」

真田幸隆「基本。方針を変えることは無いと思われます。」

私(村上義清)「それだけ北条の城は。」

真田幸隆「攻め落とすのは容易なことではありません。」

私(村上義清)「蓄えのほうは。」

真田幸隆「景虎に海上を封鎖することが出来るだけの水軍を小田原に回すことが出来ませんので。」

私(村上義清)「やろうと思えば何年でも。」

真田幸隆「はい。一方、相当いらだっていたと思いますよ景虎は。『どこを探しても兵糧となるものが見つからない。』と。」

私(村上義清)「このままだと単なる勇み足に終わってしまう。」

真田幸隆「それでも鎌倉を抑えることに成功しましたので。そこで関東管領の就任式を行ったとのことであります。」

私(村上義清)「上杉の姓と憲政から政の字を貰ったんだよな。」


 長尾景虎改め上杉政虎。


私(村上義清)「これをきっかけに兵を再び小田原城へ。」

真田幸隆「いえ。上野に引き上げました。」

私(村上義清)「えっ!?」

真田幸隆「集まった関東の諸将から『この城は落ちません。』『うちも飢饉が影響して補給が困難であります。』『関東管領に就任する。と言う目的を果たせましたし、見ての通り氏康を小田原に封じ込めることが出来ましたので。』の声が。」

私(村上義清)「基本。自分の権益が保護されれば良いのだからな。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「で。政虎はどうしたのだ。」

真田幸隆「通り道沿いの農家から町。神社仏閣に至るまで、ありとあらゆるものを襲いながらの撤退だったとか。」

私(村上義清)「八つ当たり度合いが酷過ぎるな。」

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