表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
越後の龍

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

148/653

漆山

 飯富虎昌より急使が。


私(村上義清)「何!?義元が!!」

真田幸隆「如何なされました。」

私(村上義清)「今川義元が織田信長に討たれたらしい。」

真田幸隆「え!!何があったのですか!?」

私(村上義清)「わからぬ。」


 その後、木曾義康。更には奥三河の調略に動く春日虎綱からも同様の報告が届く。


私(村上義清)「虎綱。調べてみよ。」

春日虎綱「はっ!!」


 しばらくして。


春日虎綱「どうやら義元は討たれる前日。大高城に入ったそうであります。」

真田幸隆「義元自らがわざわざ最前線に。」

春日虎綱「はい。」

私(村上義清)「目的は督促か?」

春日虎綱「いえ。違います。」

私(村上義清)「では何故。」

春日虎綱「はい。義元は大高城に入った翌日。日も昇らぬ暗いうちに城を出まして織田方の砦を素通りし漆山へと移動。そこに本陣を構えました。」

真田幸隆「漆山はどのような場所にある?」

春日虎綱「大高城を睨む織田方の丸根砦の北東に位置します。これが地図なのでありますが。」


 漆山は丸根砦を大高城と挟みつつ、更に北に流れる川の対岸も伺うことが出来る場所。


真田幸隆「そうなると義元は大高城に残った兵を使い。」

春日虎綱「はい。義元と同じく大高城に入った朝比奈泰朝並びに松平元康の両名に対し、2つの砦の攻撃を命じています。」

真田幸隆「と言うことは2つの砦を挟み撃ちにしつつ、攻められた砦を救援するべく川を渡って来た織田信長を義元は漆山で叩こうと考えていた。」

春日虎綱「想像の域を出ない話ではありますが、その通りではないかと思われます。」

私(村上義清)「大胆だな。」

真田幸隆「確かに。ただそうなりますと此度義元が狙っていたのは信長の首。」

私(村上義清)「そう言う事だな。」

春日虎綱「しかし信長は現れませんでした。」

私(村上義清)「砦のほうは?」

春日虎綱「落ちました。」

私(村上義清)「義元からすれば、大高城までの道のりを安全なものにすることが出来た。信長は今川義元を恐れ、部下を見殺しにした臆病者と世間に喧伝することが出来るようになった。残念ながら信長の首を取ることは出来なかったが問題はない。あとは調略の手を回し、内部から織田家を崩壊へと導いて行けば良い。」

真田幸隆「砦陥落の報告を聞いて義元は?」

春日虎綱「撤退を開始しました。」

私(村上義清)「今までの話を聞いていて、なぜ義元が討ち死にしてしまったのかが見えてこないのだが。」

真田幸隆「そうですね。」


 その頃、今川方となった鳴海城の備えとして築いた善照寺砦に……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ