表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
越後の龍

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

145/653

総動員

真田幸隆「殿。如何なされましたか。」

私(村上義清)「義元が尾張に出陣したそうな。」

真田幸隆「別にこれまでもあったことでしょう。」

私(村上義清)「そうなんだけども飯富からの書状見て見よ。」

真田幸隆「(一読し)これは!?」


 今川義元がこのいくさに動員した兵の数は2万5千。主だった武将の中で今回のいくさに関わらなかったのは駿河留守居役を担った今川家当主の氏真のみ。


私(村上義清)「義元の本気度が伝わって来るだろ。」

真田幸隆「確かに。」

私(村上義清)「勿論(攻め込んでいる)尾張以外が友好関係にあるからこそ出来る芸当ではあるのだが。」

真田幸隆「となりますと目的は。」

私(村上義清)「織田信長の富の源泉であり、義元の本国。駿河から京への行き来を容易なものとする熱田の権益を奪うことが第一の目的であろう。そうすることにより、今は均衡状態が保たれている織田との国力差を決定的なものにすることが出来る。」

真田幸隆「そうなりますと信長も必死に応戦。」

私(村上義清)「そこが2つ目の目的。あやよくば信長の首を取ってやろう。信長が居なくなれば尾張支配の障壁となるものがなくなる。あと3つ目を探すとなると。」

真田幸隆「今川の一族のものが尾張に居た?」

私(村上義清)「実際に(義元の父)氏親は那古野まで進出したわけだからな。」

真田幸隆「となりますと織田のほうも。」

私(村上義清)「持っている駒の全てを動員しなければならないのではあるが。」


 美濃の斎藤義龍との関係が必ずしも良好なものでは無いこともあり、全てを対今川に注ぐことは難しい状況。


私(村上義清)「ただ今川にしても織田を根絶やしにしようとは思っていないであろう。」

真田幸隆「そうですね。遠江にしてもそうでありますし、三河でもそうでありますが基本。従ったものはそのまま登用しています。」

私(村上義清)「義元もそれを望んでいるであろう。故にあれだけの兵を率いたのであろうから。」

真田幸隆「ただその条件が熱田と津島の港。更には本拠地の清須の明け渡しになることが目に見えているでしょうから織田も引き下がることは無いでしょう。」

私(村上義清)「そうなると持久戦に持ち込みたい。」

真田幸隆「確かに義元のほぼ全ての武将が出陣しているわけでありますから、それ程長く留まることは出来ないでしょう。勿論、そうならないよう準備に準備を重ねたうえでの出兵であるとは思われますが。」

私(村上義清)「お前が織田信長だったらどうする。」

真田幸隆「信長にはなれませんので、その家臣になった場合で意見を述べさせていただきますと、いくさになる前に内通した上、殿の首を持って義元のもとに馳せ参じます。」

私(村上義清)「本気!?」

真田幸隆「それぐらいのことをして初めて、自分の権益を守ることが出来る可能性が出て来るのかも。それでも熱田や津島の港に清須城は今川に持って行かれることになるでしょうね。そうなると戦うしかありません。しかし尾張は……。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ