表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
統一

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

133/653

条件

 真田幸隆が仁科盛能との交渉を終え……。


真田幸隆「仁科が殿の傘下に収まることについて了承しました。」

私(村上義清)「そうか。よくやってくれた。」

真田幸隆「有難き幸せ。ただ幾つか条件を提示して来まして……。」

私(村上義清)「申してみよ。」

真田幸隆「はい。まず居住地や所領につきましては。」

私(村上義清)「問題無い。向こうの言う通りで構わない。」

真田幸隆「兵の配置につきましては。」

私(村上義清)「あの(飛騨)山脈を越えてまでして越中から攻め込むことは無いであろうから、接しているのは実質越後のみ。あそこは景虎の土地であるからこちらで防備を固める必要は無い。これまで通り(仁科)盛能に任せる。」

真田幸隆「租税につきましては。」

私(村上義清)「ほかと同じで良い。」

真田幸隆「割譲されることを覚悟していましたが。」

私(村上義清)「(松本平における)直轄の大変さが身に染みているので、そのまま。」

真田幸隆「それでありましたらすぐにでも交渉をまとめ上げます。」

私(村上義清)「ただなぁ……。」

真田幸隆「如何なされましたか。」

私(村上義清)「千国街道と姫川の通行料収入は維持したいのか……。」

真田幸隆「それはそうでしょう。」

私(村上義清)「そうなんだけどさ……。あそこは塩と魚の輸送が多いんだよな……。あれが無ければ正直な話。」

真田幸隆「必要ない。」

私(村上義清)「それは言い過ぎ。言い過ぎなんだけど……。国境を抑えることにより防備を容易なものとすること以外に使い道が無い……。」

真田幸隆「それでしたら弟(矢沢頼綱)を連れてもう一度交渉に……。」

私(村上義清)「お前のところの兄弟が揃うと交渉では無くなるから止めてくれ。」

真田幸隆「でも仁科は渡しませんよ。」

私(村上義清)「そうなんだよな……。なら……1つだけ条件を付けてもいいかな。」

真田幸隆「なんでしょうか。」

私(村上義清)「うちが輸送するものについては非課税にしてくれないかな。それを認めてくれるのであれば、通行料収入の権利を認める。と……。」

真田幸隆「わかりました。再度交渉に行って参ります。もし駄目と言って来ましたら……。」

私(村上義清)「保科と四郎を突っ込ませる。」

真田幸隆「わかりました。」


 再度、保科と四郎の部隊を率い交渉に向かった真田幸隆。

「従うことになるのでありますから。」

と渋々ながら条件を受け入れる仁科盛能。こうして村上義清は、仁科盛能の権益にほぼ手を付けることなく安曇郡を傘下に収めたのでありました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ