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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
統一

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やたらと

 実力者三好長慶の影響か。朝廷と将軍家の間に隙間風が……。この動きに対応するべく、隣国越後の長尾景虎並びに美濃の斎藤義龍。更には尾張の織田信長が上洛の動きを見せる中、信濃にも動きが……。


私(村上義清)「ところでなんだけど……。」

真田幸隆「如何なされましたか。」

私(村上義清)「最近、やたらと人質が送られてくるんだけど……。」

真田幸隆「そうですね。」


 人質が送られる。と言うことは、送った側が村上義清の傘下に収まったことを意味する。


私(村上義清)「(小笠原)長時を討ったことが影響しているとは思うのだが。」

真田幸隆「ええ。」

私(村上義清)「にしても多くないか……。」

真田幸隆「……殿。」

私(村上義清)「どうした。」

真田幸隆「もしかしまして……。」

私(村上義清)「なんだ。申してみよ。」

真田幸隆「御自身が仰ったことを……忘れてはいませんよね……。」

私(村上義清)「ん!?……あっ。あれ訂正していなかったな……。」

真田幸隆「そうですよ。『一週間以内に頭下げに来なかったら討伐する。』って……。」

私(村上義清)「そうだったな……。」

真田幸隆「あれから大変だったんですからね。信濃全土に使いを送って確認をとるのが……。」


 信濃にとにかく広い。しかも山と谷に阻まれ交通が不便。


真田幸隆「しかも今回は国境の……半手の国人が多いのですから。決裂していくさにでもなろうものなら他国の介入を招く恐れがあるのですから……。」


 小笠原長時の勢力は信濃西部。北は越後の長尾景虎。西は美濃の斎藤義龍。そして南は今川義元とそれぞれ接し、村上義清にとって一筋ならぬ大勢力ばかり……。


私(村上義清)「で、今の現状は……。」

真田幸隆「(表を示しながら)まず南部につきましては今川と接しているとは言え、義元が尾張と争っていることもありまして信濃にまで手が及んではいません。むしろ小笠原の一族である松尾と縁のあるものが多い地域であります。ただ松尾は今。甲斐に逃れているため、抵抗を示すものはおりませんでした。」

私(村上義清)「あとについては。」

真田幸隆「北部の仁科と、西部の木曽に返事がありませぬ。」

私(村上義清)「決裂した……。」

真田幸隆「いえ。素直に従うつもりは無いのでありましょう。」

私(村上義清)「仁科の裏には越後(長尾景虎)が居て、木曽には美濃(斎藤義龍)が居るからな……。ただあそこが取れると……。」


 今は千曲川一本しかない京へ物資を運ぶ道を増やす(仁科は姫川、木曽は木曽川)ことが出来る。


真田幸隆「殿。」

私(村上義清)「なんだ。」

真田幸隆「少しだけ待ちましょう。」

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