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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
統一

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固定費

 小笠原長時領を接収すると共に、その家臣を直臣とし意気揚々。……と言った感じでは……。


真田幸隆「少し浮かぬ顔をされていますが……。」

私(村上義清)「先日の沙汰の中で……。」

真田幸隆「小笠原の家臣とうまく……。」

私(村上義清)「つい先日まで敵対していた上に、一度は『死罪』を口走ってしまった手前、当然警戒されているのは仕方がない。でも彼らの業務についてはそのまま継続でお願いしている。向こうは向こうで『仕事』と割り切ってくれている様子なので、今のところ困っていることは無い。ただ……。」

真田幸隆「如何なされましたか。」

私(村上義清)「……待遇面が失敗だったような……。」

真田幸隆「彼らから巻き上げた土地は全て殿のものですよ。」

私(村上義清)「それはそうなんだけどさ……。その没収した土地の収益分を……確か俺。現金で以て補填するって言ったような……。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「……てことは、……その金額を俺は工面した上。責任もって彼らに支払わなければならない。ってことだよな……。」

真田幸隆「当然のことですよね。」

私(村上義清)「その原資となるとなるのが彼らから没収した土地からあがる収穫物。」

真田幸隆「ええ。」

私(村上義清)「収穫量って、その年の気候によって左右されるだろ。」

真田幸隆「確かに。」

私(村上義清)「その収穫物を現金化しなければ、彼らに給料を払うことは出来ないよね。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「コメって……豊作になると値段が下がって、不作になると値段が上がるよね……。」

真田幸隆「そうですね。」

私(村上義清)「現金化するためには、生産者では無い人のところに送らなければ意味ないよね。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「そんなところって……京ぐらいしか無いよね。」

真田幸隆「信濃はもとより、周りも皆生産者ですからね。」

私(村上義清)「京に持って行くためには、輸送費が掛かるよね。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「経由する度に、手数料が取られるよね。」

真田幸隆「そのかたにも生活がありますので。」

私(村上義清)「今から現物支給に……。」

真田幸隆「それは出来ない約束でしょう。大事に大事に守って来た土地を奪われた彼らに。」

私(村上義清)「……だよね……。収穫物の幾ばくかを。のほうが、維持管理費用は向こう持ちだから、安定はしないけれども確実な収入源になったのではあるが……。」

真田幸隆「ウチもそうしましょうか。」

私(村上義清)「……いや。遠慮しておく……。」

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