表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/653

強いてあげるとするならば……

 真田幸隆の話を聞いて現状を整理すると、現状。基本的には史実の通りとなっている。ただ史実と異なるものが2つある。1つは幸隆が村上義清の家臣となっていて、幸隆もしくは幸隆の一族の旧領エリアを管轄する立場となっている。ただ幸隆が武田を離れ、村上の家臣となった理由は定かではない。抜け落ちている。そしてもう1つが……。


私「(婿投げをされた後の私……。その後、500年近くの記憶が無い。いや違う。婿投げの後私は500年近い時を戻されてしまっている。村上義清に代わって……。これは現実に起こっている出来事なのか。もしかすると私は……病院のベッドの上で生死の境を彷徨っているのかもしれない……。今起こっている状況が夢であって欲しいと思っているのであるが……現実を知るのも怖い……。とりあえず今は、バグとなっている幸隆の歴史の辻褄を合わせなければならない……。)」


私(村上義清)「幸隆よ。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「板垣信方の元で遣り甲斐を感じ働いていたお前が何の理由も無しに私の誘いに乗ることなんて無いであろう。」

真田幸隆「そうでありますね……。」


 真田幸隆は私になる前の村上義清の誘いにより、武田から村上に鞍替えしたようだ。


私(村上義清)「遠慮は要らぬ。申してみよ。」

真田幸隆「強いてあげるとするならば……武田晴信による諏訪への対応に不安を感じたからであります。」

私(村上義清)「危険ないくさの最前線に立たされることのことか?」

真田幸隆「いえ。それにつきましては仕方ありませぬ。彼らは武田に征服された立場でありますので。」


 いくさのみならず。争いごとに負け。新たに従うことになったものに待っている次なる仕事はいつの世も変わらず汚れ仕事。


真田幸隆「不安を覚えることになったのはむしろ彼ら。諏訪の衆がかつて従っていた諏訪頼重など一族に対する武田の対応にあります。」


 武田晴信は諏訪侵攻後。当主諏訪頼重に対し『降伏するなら命を助ける』ことを条件に開城させた後、謀殺。その後、甲斐にいる頼重の幼子をチラつかせながら諏訪の衆を鼓舞。板垣信方のもと目覚ましい活躍をみせる。頼重の子が成人し、諏訪に戻って来る日を指折り数えながら……。そんなある日。


真田幸隆「武田晴信は諏訪の娘を側室とし、彼らの間に男の子が誕生しました。」


 同じ諏訪頼重の血を継ぐ男の子が2人。ひとりは武田晴信の血も受け継ぐ男の子で、もうひとりは晴信の妹の子ではあるが晴信の血は受け継いでいない男の子。諏訪の当主の枠はただ1つ。選ばれるのは当然……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ