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旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
統一

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間合い

私(村上義清)「それでどのような助言を。」

保科正俊「『春日殿の用兵を応用すれば良いのでは。』と……。」


 春日虎綱の用兵は、対井上の時に用いた種子島の砲撃により敵を足止めしたあと、長槍で包囲し、騎馬武者が殲滅すると言うもの。


私(村上義清)「虎綱が心配しているのは種子島を発射しても敵の足を止めることが出来なかった場合……。」

保科正俊「左様。」

私(村上義清)「このままでは弾込めしている最中。丸裸同然の種子島隊は敵の餌食となってしまう……。」

保科正俊「はい。ですので春日殿には、そうならぬよう種子島の発射する位置を変更するようお伝え申し上げました。」


春日虎綱「これだけ離れていれば……。」


 春日虎綱が種子島の発射を指示したのは、高遠頼継との距離が種子島の射程ギリギリの100mに近づいた時。


私(村上義清)「それでも次の弾の準備を終える前に敵に追いつかれてしまう危険性が……。」

保科正俊「そのために……。」


春日虎綱「長槍隊を前へ!!」


保科正俊「長槍隊を前面に押し出すことにより、敵の勢いを削ぎながら種子島隊の安全の確保と次なる発射への備えの時間を作ります。」

私(村上義清)「ただ肝心の長槍隊が弱かったら……。」

保科正俊「これまでの春日殿の想定では、長槍隊は種子島により戦意を失った敵を包囲するのが役目でありましたので。」

私(村上義清)「敵に押し切られてしまうことになってしまう。」

保科正俊「はい。そこで春日殿は『保科様の長槍隊をお借りしたい。』と頭を下げて来ました。」

私(村上義清)「それで……。」

保科正俊「見ての通り私の周りに部下は独りとしておりませぬ。故に今、私はただの一兵卒でしかあり申さぬ。言うならば私は村上様の人質であります。」

私(村上義清)「(……ここも戦場なんだけど……。)」

保科正俊「(何かを察して)見ての通りここは寝込みを襲っているだけでありますし、殿の部下は優秀な人材が揃っておりますので、私の部隊が展開したらかえって邪魔をすることになってしまいます。それよりも……。」

私(村上義清)「最も判断が難しく、危険な任務を背負った虎綱に助力したい。と……。」

保科正俊「左様。」

私(村上義清)「ただその長槍隊を以てしても……。」

保科正俊「残念ながら敵の戦意を喪失させることは出来ませぬ。長槍隊の役目はあくまで種子島隊が安全に次なる備えをするための時間を稼ぐことであります。」

私(村上義清)「それではいづれ。」

保科正俊「崩れてしまう時が来るやもしれませぬ。」

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