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せっかくの異世界6

「おはようございます、お嬢様…」


優しい声と、眩しい陽の光にアヤカは目を開けると…


「おはよぉーお母さん…何そのお嬢様って…気持ち悪いんだけど…」


目を擦りながら欠伸をすると…驚いた表情のバーバラがこちらを見つめていた…


(あっ!そっか!)


「な、なーんて…バーバラおはよう~」


アヤカがへらっと笑って誤魔化すと…


「お嬢様おはようございます。只今お湯を張っておりますのでお風呂に致しますか?」


バーバラはアヤカの発言に何も突っ込まずに笑って用意をすすめてくれる。


「朝からお風呂かぁ…気分転換になりそう!お願いします」


バーバラが頷くと浴槽まで先導してくれる…


(昨日は疲れて部屋をよく見る前に寝ちゃったからなぁ…)


ミリアお嬢様の部屋の浴槽は最初に入ったお風呂より豪華で大きかった…。


「では…失礼致します」


バーバラがアヤカの服を脱がそうとすると…


「あっ!バーバラ私お風呂は一人で入るタイプなの!だから大丈夫よ!」


「えっ?」


バーバラが驚いていると…


「大丈夫!ちゃんとできるから、バーバラは違う仕事をしてて」


アヤカはバーバラの背中を押すと部屋から出す。


「じゃ!」


笑って手を上げると扉を閉めた。


「お嬢様って変わってるな…」


バーバラは思わず声を出してしまった。


アヤカは一人になると…バサッと服を脱ぐ!


あー開放的!


やっぱりスカートは肩が凝るなぁ…


サッと体と髪を洗うと、浴槽に飛び込む!


ちょうどいい温度に思わず声が漏れる…


「はぁぁぁ~気持ちいい…」


ゆっくりと入り体が温まると…用意されていた服に着替える。


「あーあ…ズボン履きたいなぁ…」


またヒラヒラの服を手に取ると…


「どうしよう…着方がわかんない…」


アヤカはカチャッと扉を開けると…


「バーバラ…」


朝食の用意をしていたバーバラを呼ぶ。


「お、お嬢様!」


アヤカの格好に驚き駆け寄ると


「どうなさったんですか!」


服も着ていないアヤカを心配そうに見ると…


「ごめん…着方がわかんない、着せてくれる?」


アヤカはにっこりと笑いかけた。


バーバラはお嬢様に食事の用意をすると…食後のお茶を用意しにキッチンへと向かった…。


「バーバラおはよう、大丈夫かい?」


キッチンに行くとシェフの一人が声をかける。


「おはようございます、ノエルさん」


バーバラが笑顔で返事を返すと


「おや、顔色も悪くないし…元気そうだね?」


ノエルがバーバラの調子が良さそうな様子に笑顔を見せると…


「今日はお嬢様機嫌がいいのかい?」


ノエルさんが何気なく聞くと、


「ええ!お嬢様は素敵な方ですね!私皆さんに騙されてしまいましたよ」


バーバラが笑っていると


「騙す?」


ノエルさんが訝しげな表情を浮かべる


「ええ、皆さんがあんなにお嬢様が怖いって言うから…私本当に怯えてしまって…お嬢様に申し訳無いことをしてしまいました…」


「ん?なんだ?バーバラの言ってる意味が分からんぞ…」


ノエルが首を傾げると…


「あっ!そうか…お嬢様の立場がありますからね…ええ、分かってます。お嬢様は厳しい方ですけど私はお仕え出来て本当に幸せです!」


バーバラがうんうんと一人で納得していると…


「ま、まぁバーバラが大丈夫そうならいいけど…大変なら仲間に助けを求めるんだぞ」


ノエルさんの心配そうな様子に


「ありがとうございますっ!」


バーバラは元気に返事を返した。


そんなやり取りを終えて部屋に戻ると、お嬢様は綺麗に朝食を平らげていた。


「お嬢様お待たせ致しました」


バーバラがお茶を入れて置くと、蒸されるまでに食器を片ずける。


「お味はどうでしたか?」


バーバラが何気なく聞くと


「美味しかったわ!こんな豪華な朝食久しぶり!」


「久しぶり?」


「あっ…いえ…いつも美味しい!」


お嬢様が笑うと


「それはきっとノエルさんも喜びますわ」


「ノエル?」


お嬢様が聞き返すと


「朝食を作ったシェフの名前ですよ」


「ノエルさんかぁ…とっても美味しかったって伝えておいてね」


アヤカは美味しいご飯に浮かれていた…。


バーバラが食器を片付けにキッチンに行くと…


「これは…」


ノエルが綺麗に食べられている朝食が乗っていた皿を見つめる…。


「お嬢様様からノエルさんに伝言です」


バーバラがノエルさんを見ると


「で、伝言…」


ゴクッと唾を飲み込むと…


「美味しかった、ありがとう…だそうですよ」


バーバラは微笑むとお嬢様の部屋へと戻って行った…。



ノエルはお皿を見つめると…


「何が美味しかっただ…」


皿を掴むとゴミ箱に投げつけた!



アヤカは暇そうにソファーに横になる…


「あー…暇だ…」


する事がない…お嬢様って普通何するもんなんだ?


アヤカは本棚に行くと一冊手に取る…パラパラとめくるが…


「読めない…」


書いてある字を見た事が無い。


「本も読めないのか…異世界の本…興味あったのになぁ…」


パタンと本を閉じると…


ピロンッ!


携帯から電子音がした!


「ヤバい!マナーモードにしとかないと…」


アヤカは携帯の設定をマナーモードにして音を消すと


「あれ?新しいアプリが入ってる…」


アヤカがアプリを見ると…


「あ」→「б」


日本語の「あ」に矢印がされ見た事が無い文字に伸びている。


「これって…翻訳機能?」


アプリを開くとカメラ機能と記入機能が表示される。


アヤカはカメラ機能の開くと先程の本を開くと一行、写真を撮る。


画面を見ると…


【この世界には、人と魔族が存在する。魔族とは人に仇なす存在だ】


「!!」


(訳せた…だけどそれよりも内容が気になる!)


魔族!来たー!


アヤカはグッとガッツポーズをした。

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