鑑の皇子と宝珠
鑑国の辺境に位置する、遠遥《エンヨウ》。
田舎ゆえに国内ではあまり知られていないが、隣国・熾杏《シアン》と接する為、それなりに裕福な領地である。
遠遥《エンヨウ》の領主の娘・璃枝《リノエ》は、十九にもなるというのに、嫁ぎもせず、社交界にすら御披露目されずに甘やかされていた。
彼女には全力で慕う兄がいる。兄と一緒にいられるのならば、“嫁き遅れ”や“不出来な我が娘”などと陰口を叩かれても構わなかった。
弟はそれが気に食わない。
だが、その日常は、突然壊される。兄の隠されてきた事情が明かされ、璃枝は兄と引き離されることになってしまった。
それが運命というのならば、逆らってみせましょう。
田舎ゆえに国内ではあまり知られていないが、隣国・熾杏《シアン》と接する為、それなりに裕福な領地である。
遠遥《エンヨウ》の領主の娘・璃枝《リノエ》は、十九にもなるというのに、嫁ぎもせず、社交界にすら御披露目されずに甘やかされていた。
彼女には全力で慕う兄がいる。兄と一緒にいられるのならば、“嫁き遅れ”や“不出来な我が娘”などと陰口を叩かれても構わなかった。
弟はそれが気に食わない。
だが、その日常は、突然壊される。兄の隠されてきた事情が明かされ、璃枝は兄と引き離されることになってしまった。
それが運命というのならば、逆らってみせましょう。